ガソリン車と同額のEV しかも街中には無料充電装置
電気自動車や間もなく発表される燃料電池車を買う際、少なくない額の補助金が出る。これに対し「自家用車を買うために税金を使うのはおかしい」という意見も聞く。しかし政府が新しい技術に対し補助を行うというのは日本だけじゃない。電気自動車を強力に推進しているノルウェーを取材してきた。ノルウェーの場合、北海油田を持っているため自国で石油を調達出来る。したがって燃費の良いガソリン車でも問題ないように思うけれど、政府が強い意志を持って電気自動車を推進しているのだという。どういった優遇措置をしているのか調べたら、驚くほど多岐にわたっていた。
まず購入時。本来なら25%掛かる物品税免税、さらに購入時にかかる税金も免除される。結果、日産リーフの場合、372万円で購入が可能となる。参考までに書いておくと、日本だと196万円の日産ジューク1.5リッターが374万円(ノルウェーに限らずヨーロッパにおける自動車は高い)である。
つまり、この時点でガソリン車も電気自動車も同額。さらにガソリン価格1リッター280円に対し、電気料金は日本とほぼ同じ。走行1万km毎に20万円浮く計算だ。しかも街中には無料の充電装置が多数設置されている。その他、高速道路料金も無料。カーフェリー無料。街中の駐車場料金不要。
結果、ノルウェーでは、日産についていえば年間2200台売れる車のうち、1450台がリーフだという。もちろん日産だけでなく、全ての自動車メーカーの電気自動車に同じ条件を付けており、そればかりじゃなく、バスなど公共の交通機関も電気化しようとしているようだ。国策であります。
日本でも電気自動車のメリットは大きい
昨今の日本を見ていると、電気自動車や燃料電池車の推進は国策と言ってよい。本格的に石油依存体質から脱却しようとしているワケ。もちろん完全なる石油離れなど無理。ただ依存度を下げようとしていることは間違いないようだ。こういった動きを見ると、かつての原発を思い出す。当時の政府はなりふり構わず原発に税金を注ぎ込んだ。それに比べれば電気も、燃料電池で使う水素も安全である。そして普及させることが出来れば、日本の技術は世界をリード出来ることだろう。何もしなければ何も育たない。ということから考えると、補助金を出す意義はあるかもしれません。
あまり認識されていないが、今や補助金を使ってリーフを買ったら、同じ装備内容のプリウスと同じ価格。ノルウェーほどじゃないけれど、ガソリン代と電気料金の価格差は少なくない。燃費の良いプリウスと比較したって走行1万kmで6万円程度安く付く。日本も電気自動車のメリットは大きいのだ。
新車の購入を検討しているならぜひとも電気自動車もショッピングリストに上げ、費用対効果などチェックしてみて欲しい。三菱自動車は電気軽トラックの『ミニキャブMiEV』を値下げしたし、リーフについちゃ長期モニターキャンペーンを始めた。数時間の試乗ではわからないこともあると思う。
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