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投資のジャマする自尊心の存在に気づく

クールな投資を実行するには、感情をコントロールしないといけません。恐怖心、どん欲、虚栄心などは、自分で気が付きやすい感情ですが、自尊心にジャマされていることに人が気が付くのはたやすいことではありません。自分の自尊心に気が付き、投資行動を補正する方法は?

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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感情を制御する

投資とは、セルフマネジメントのゲームです。自分の感情を制御して、理性的にふるまう人が必ず勝ちます。経験の浅い人は、感情の影響を軽ろんじて、タイミングやテクニックに走りがちです。でも、収益の最大の源泉は自分自身の思考力。感情は最大の障害です。

本人も扱いに手を焼く感情ですが、恐怖、どん欲、虚栄心などは、自分でも気が付くかもしれません。それらは、比較的、単純な感情だからです。
損を怖れない、がめつかない、他人の目を意識しないなど、いくつかの規律を持つことで、セルフコントロールが可能です。

自尊心の影響が気が付く

しかし、自尊心という感情には、人はなかなか気が付きません。ましてや、うぬぼれとなると、そこに気付きたくないもう一人の自分がいます。もっとも制御しにくい感情が自尊心かもしれません。

自尊心が投資のジャマをしているときとは、こんなときです。

・自分の決めた方針が間違っているのに、自分で認められない。
→同じ失敗を繰り返します。

・人並みに成果に納得できなくて、引き際を逃してしまう。
→自己主張のために、危険な場所で賭けをしてしまいます。

・相場の意外性に、動けなくなる。
→妄想の中で、独善的な未来予想をしてしまいます。

・自分と違う投資対象や手法を選ぶ人を攻撃したくなる。
→投資に対してオープンスタンスに立てず、ひきこもってしまいます。

・自分を正当化する情報ばかり探してしまう。
→見たくない情報が目に入らなくなります。

皆さんには心当たりはありませんか?

自尊心の影響を補正する

もし、自尊心がジャマになっているとしたら、投資においては自分が凡庸な存在であるということに、ほとんどの人は気が付く必要があります。バフェットやソロスの本を読んで、投資の天才の思考を学ぶことも大事ですが、そのうんと手前の小石に現実の私たちは躓いてしまうからです。

自分の実力に気付くために効果的な方法は、自分のやり方や成績を開示して、他人のそれと比べてみることです。たとえば、投資サークルに入るとか、投資家交流会に参加するとか、メンターやアドバイザーを持つことなどをしてみたら、ジャマをしている自尊心を発見できるでしょう。

最後にお断りしておきます。自分を尊大に見せたがる自尊心はジャマですが、ありのままの自分を受け入れる自己愛は絶対に必要です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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