アルゼンチン北部の拠点となるサルタ
広大な国土を持つアルゼンチン。東西南北で風景や文化が違いますが、なかでも北部は先住民色の強い文化や砂漠に近い乾燥した気候による自然の風景などが特徴的。そんな異文化を体感するための拠点となるのが、北部最大の町サルタです。ブエノスアイレスから北へおよそ600km。サルタは様々な観光地へのアクセスに便利な町ですが、じっくり観光しても面白い場所。歴史的な建造物から眺望スポットまで、飽きることがありません。サン・ベルナルドの丘でサルタの全貌を眺める
サルタに行ったら、まずはサン・ベルナルドの丘に登ってみましょう。サン・マルティン公園の一角からテレフェリコというゴンドラに乗ると、10分弱で標高300mほどの頂上に到着します。ここからはサルタの町が一望でき、とても爽快な気分になれるはず。事前に食べ物や飲み物を買って、のんびりピクニック気分に浸るのもいいかもしれません。サン・ベルナルドの丘は、日中に行くのもいいですが、夕方に上って徐々に町のあかりが灯っていくのを眺めるのもロマンチックです。ただし、テレフォリコの乗り場付近も丘の頂上も、観光地なので常に人通りはありますが、薄暗くなってからは気をつけるようにしてください。運行時間は毎日10:00~19:00。料金は大人が85ペソ(約1000円)です。
美しいコロニアルな町サルタ
丘の上からの眺望を満喫したあとは、町中を散策してみましょう。石畳で整備された通りは活気があり、コロニアル時代の建築もたくさん残されています。まず観ておきたいのは、凛とそびえ立つ大聖堂(カテドラル)。ピンク色の外観が印象的なネオバロック様式の建築で、まるでおとぎの国から飛び出てきたかのよう。豪華な内装も見事なのと、博物館にもなっているので、ぜひ建物の中にも入ってみましょう。もうひとつカラフルな宗教建築として、サン・フランシスコ聖堂も要チェック。こちらは金、白、えんじ色という3色の組み合わせに驚かされます。尖塔の高さは54mもあり、南米でもっとも高い教会だそうです。加えて、カビルドという市庁舎も必見。半円のアーチがいくつも並ぶ様子は迫力があり、サルタ市の象徴でもあります。ここも内部は博物館になっています。
これらの歴史的建築物は、すべて町の中心となる7月9日広場周辺に固まっているので、ここを起点に歩いてみるといいでしょう。また、ライトアップされる夜景も美しいので、昼間だけでなく暗くなってからもぜひ散策してみてください。このあたりは比較的人通りも多いので安全ですが、カメラや貴重品にはくれぐれもご注意を。
フォルクローレのペーニャ、郊外への小旅行
サルタは、フォルクローレと呼ばれる民謡音楽が盛んな町。50年代に起こったフォルクローレ・ブーム以降、多くの有名なアーティストを輩出してきました。サルタのフォルクローレは、ボリビアからの影響を受けたリズムやメロディが特徴的で、ブエノスアイレスで聴かれるフォルクローレよりももう少し土臭いサウンドが好まれています。こういったフォルクローレを気軽に楽しむには、ペーニャと呼ばれるバーに行くのがおすすめ。バルカルセ通り周辺の他、いたるところにペーニャが存在します。外から演奏が聞こえるところもあるので、少し様子をうかがってから入ってみてもいいでしょう。サルタの町を満喫したら、郊外へ足をのばしてみてはいかがでしょうか。町を一歩出ると、雄大な景色が広がっています。有名なのは、「雲の列車(Tren A Las Nubes)」という名の高山鉄道。標高4000m以上の場所を通るので高山病になる人もいるくらいですが、絶景を見渡せる鉄橋など見どころたっぷりです。他にも、ワインの生産地でもあるカファジャテ渓谷や、かわいらしい教会のある小さな村カチなどに行くのも、サルタからのツアーを利用すると便利です。アルゼンチン北部特有の風景と文化を楽しんでみてください。
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ブエノスアイレスからのアクセス:
飛行機で2時間~2時間半。マルティン・ミゲル・デ・グエメス空港に到着します。空港から市内まではタクシーで約20分(金額は1000円程度)。長距離バスもありますが、20時間前後かかるので長期滞在の方以外にはおすすめできません。