青春のザワザワとキラキラ感がたまらない 『下北サンデーズ』
◇平均視聴率7.3% (ビデオリサーチ社による関東地区のもの)◇主演上戸彩 2007年7月~9月 木曜21時 テレビ朝日系列にて放送
下北沢を舞台に活動する小さな劇団“下北サンデーズ”に入団する千葉大1年の里中ゆいかの青春と劇団の成長を描いた作品です。
『池袋ウエストゲートパーク』の黄金コンビ石田衣良(原作)×堤幸彦(演出)ということもあり、注目を浴びました。もちろん小ネタ満載ですが、魅力はカラッと明るく描かれた下北沢や劇団、そして人生に対する愛です。では、カラッとした明るさを支えるものは何でしょう。
■ジャージ愛に満ちた毎日
社会人になり、スーツや制服を着用し襟を正して過ごす毎日へシフトした人は多いのではないでしょうか。時間の使い方、考え方の自由度が大きい時代はそう長くありません。
ジャージ姿の主人公ゆいかは、夢を語り夢を追い、毎日がキラキラしていたかつての私たちかもしれません。そのキラキラを持続可能にした『下北サンデーズ』を見ると、「ドラマだから」と突き放す気持ちにはなれず、なぜか温かい気持ちになります。熱血感もあれば脱力感もあるジャージパワーの仕業かもしれません。
■下北沢と劇団の風景
下北沢の気取らない風景、劇団のエネルギッシュな日常、それだけでワクワクしますし、変化し続ける街の風景を映像に残すだけでも、とてもステキなことと言えそうです。
舞台に立つということは、自分を誤魔化すことができないということ。ジメジメと何かを隠し持つことはできない劇団という場所はカラッとしているものなのです。夢を追うことを選択した結果、付いて回る貧乏と空腹、うまく演じられない歯がゆさ、いざ夢が前進し始めたときの戸惑いと有頂天。すべての思いがザワザワに紛れこみ、ユーモラスが添加され、明るい風景に包まれます。
そもそも、お笑い担当のサンボ現(竹山隆則)とキャンディ吉田(大島美幸)、座長のあくたがわ翼(佐々木蔵之介)など……、可笑しなことが起こらないわけがありません。声も大きく体も大きく態度も大きいメンバーの泣いて笑っての毎日に、いつしか視聴者も励まされます。
ゆいかの友人三谷幸三(眼鏡太郎) 野田秀夫(辻修)も役名だけで、クククと来ます。
気が付けば、サンデーズのみんなと一緒に、合言葉「土曜の次はサンデーズ」でギュッと拳を握っているかもしれません。残業続きの毎日、ジャージ姿でゴロンと横になって見たい ちょっとゆるくてちょっと熱い作品です。
中学生、大学生、そして大人になってから、どんな場所でどんな風に生きても、人生はキラキラ輝くんだと感じる3作品、いかがでしたか。忙しい毎日をふと忘れられそうな1本を見つけてくださいね。