運動と健康/本格トレーニング・有酸素運動

本当に知ってる?有酸素運動の基本

気持ちのいいお天気が続くと、少し体を動かしてみようかな!と思い立つ人も多いのではないでしょうか。どうせやるなら興味のあるものや自分の生活スタイルに合わせた運動を上手に選びたいところです。ところで有酸素運動ってやっぱり「キツい」というイメージはありませんか? キツい運動をしなければ効果がないというのは間違いです。今回は「有酸素運動の基本」についてお話をしたいと思います。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

 有酸素運動とはそもそもどんな運動?

朝の時間

20分にこだわらず細切れ時間を有効に使おう

一般的に有酸素運動は「ゆっくりと・長い時間・続ける」運動と言われています。時間の長さについては「20分以上続けないと効果がない」と誤解されることもありますが、運動時間を積み重ねることで、有酸素運動としての効果は十分にあると考えられます。忙しい現代人にとって、まとまった時間(20分以上)を運動に費やすことは、かなりハードルが高いかもしれませんが、5分、10分といった細切れの時間を積み重ねることは、比較的取り組みやすいかもしれませんね。仕事の合間に休憩を兼ねて、通勤通学時間を利用して、と普段の生活にあわせて体を動かすようにしましょう(参考ページ:有酸素運動のホンネ…連続20分じゃなくても問題ナシ)。

運動のエネルギー源は「炭水化物」、そして「脂肪」

体を動かすためのエネルギー源は大きく二つあります。ご飯やパン、麺類など主食になる「炭水化物」と、油全般やナッツなどに含まれる「脂肪」です。有酸素運動は主に脂肪を燃焼することで知られていますが、どの運動でも最初にエネルギー源として利用するのは炭水化物であり、その後脂肪の割合が高くなると言われています。こうしたことから長時間の運動のほうが脂肪を燃焼しやすいという誤解されたのかもしれません。細切れ運動についても最初に炭水化物を利用し、その後脂肪を利用する割合が高くなるのであれば、運動の積み重ねは、脂肪を燃焼することにつながるのです。

会話が出来るくらいの運動強度で

ジョギング

楽しく会話ができる運動強度で続けよう

有酸素運動といって思いつくのはウオーキング、ランニング、サイクリングなどではないでしょうか。ハードなスポーツに比べて運動強度が軽く、長い時間続けやすい運動は、普段運動をしない人にもオススメできる種目です。またこうした有酸素運動は場所を選ばず、思い立ったらすぐに始められることも嬉しいですよね。

一方水泳など場所が限られるものや、競技スポーツにおいても「会話が出来るくらいの運動強度で・ゆっくりと・続けられる」ものであれば、有酸素運動の効果が十分に期待できます。「友人にテニスに誘われた」「旅先で卓球をやりたくなった」「会社の人たちとゴルフに行くことになった」といったケースでも、楽しみながら体を動かせるレベルの強度であれば、それは立派な有酸素運動。会話をしながらじんわり汗をかくくらいの強度が、体への負担も少なくオススメです。

有酸素運動は体にとっていいこと

全身に酸素を取り込み、血液を循環させながら続ける有酸素運動にはさまざまなメリットがあります。
  • 心肺機能が高まる(心臓・呼吸筋の強化)
  • 血管の柔軟性が高まり、高血圧の緩和が期待できる
  • 脳への刺激とアイデアがひらめきやすい等の良い影響がある
  • 骨への適度なストレスによって骨が強化される
  • 基礎代謝量がアップし、新陳代謝が促される
  • 体脂肪を燃焼させる
  • 不安や抑うつ感を軽減する  等々
ただし持病がある方や、生活習慣予備軍等の指摘を受けた方、また健康について不安のある方はあらかじめ医師の診察を受け、適切な運動強度と運動時間などの指導を受けるようにしましょう。

運動強度が低くても事前準備をしっかりと

ストレッチ

運動の前には必ず準備体操をしよう

有酸素運動自体の運動強度があまり高くないため、思い立ったらすぐ始められることが最大のメリットでもあり、注意をしなければならない点でもあります。ウォーミングアップなどの事前準備をしっかり行うことが、思わぬケガを予防することにつながります。まずはストレッチなどでしっかり体をほぐすことから始めましょう(参考ページ:準備運動・基本のダイナミックストレッチ)。また空腹のまま運動を行うことも避けましょう。あらかじめ食事や軽食などでエネルギー源を確保し、食事の場合は食後30分以上あけてから運動を始めるようにすると、思わぬ腹痛などのトラブルも防げるでしょう。

有酸素運動について、知っているようで知らなかったこともあったのではないでしょうか。気軽に取り組める運動ですので、どうせやるならその運動効果を最大限に引き出して、楽しく体を動かしたいものですね。
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