2階(ナポリ派・バロック絵画)
カラヴァッジョの《キリストの鞭打ち》のある部屋 (c)Ewa Kawamura
2階は、16世紀のタピスリーの間にはじまり、中心部にはこの美術館の目玉作品のひとつであるカラヴァッジョの《キリストの鞭打ち》(1608年)が。ドラマチックな彼独自の明暗法が、より際立つように配置されています。この絵はもともとナポリの中心部サン・ドメニコ・マッジョーレ教会にあったもので、この階には、かつて同教会にあったティツィアーノ《受胎告知》(1557年)も展示されています。
さらにこの階は、「ナポリ派」と呼ばれる16-17世紀のナポリで活躍した画家たちの宗教的な作品が中心となっています。主な画家は、ダイナミックな筆致のルーカ・ジョルダーノ、フランチェスコ・ソリメナ、パオロ・デ・マッテイス、ホセ・デ・リベーラ、マッシモ・スタンツィオーネ、マッティア・プレーティ、ファブリツィオ・サンタフェーデ、フィリッポ・ヴィターレで、一人につきほぼ一部屋ずつが割り当てられ、これはカポディモンテ美術館の醍醐味でもあります。またバロック時代の静物画の部屋もこの階にまとめられています。
3階(19~20世紀コレクション)
19世紀絵画のセクション (c)Ewa Kawamura
3階へアクセスする導入部の2階と3階には、現代アートのセクションもあり、ナポリの建築や美術をテーマにする写真家ミンモ・ヨーディチェの作品や、ナポリにも来たことのあるアンディ・ウォーホルの《ヴェスヴィオ火山》(右の写真)もあります。19世紀のナポリで活躍した画家と彫刻家のセクションも3階で、ドメニコ・モレッリ、ヴィンチェンツォ・ジェーミト、フランチェスコ・アルタムーラ、フィリッポ・パリツィらの作品が並びます。
■その他のセクション
以上、1階から3階まで見学した後も、近年開設された新しい展示室が待っています。中庭に出る前の左手には、19世紀末から20世紀初頭にかけてナポリで繁栄した服飾店「メーレ」のベルエポックな広告ポスター・コレクションの部屋があります。その手前には、アメリカの現代アーティスト、ソル・ルウィットによる部屋そのものが作品になった部屋(2002年)も。中庭の反対側には、2012年12月にオープンした「19世紀セクション」があります。
6角形の吹き抜け階段を上った中2階にあり、王族のプライベート・アパートメントであったところを公開しているので、部屋でくつろぐ雰囲気で、美術品に囲まれた当時のインテリアも楽しめます。
美術館と王宮の歴史については、こちらへ>>>美術館とともに! カポディモンテの王宮と庭/ナポリ
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■Museo Nazionale di Capodimonte(国立カポディモンテ美術館)
見学時間:8:30~19:30(毎日開館)
住所: Via Miano, 2, 80137 Napoli
TEL:+39 081 749 9111
アクセス:市内バスまたはタクシー(バスは危険地区を通過し、時間帯によっては本数も少ないので、タクシーがお薦めです)