トルクメニスタンの歌姫
トルクメニスタンには中央アジア圏で使われるドゥタールという弦楽器とかもあり、民族音楽や歌謡曲のようなものもあります。また、国歌は独立後の1997年に新たに制定され、作詞はもちろんニヤゾフ初代大統領です。いろいろ調べてみて行き着いたのが、Myahri Pirkuliyewa (Mähri Pirgulyýewa)というアシガバート出身のソロシンガー。西洋と東洋が交差するエキゾチック美人(トルクメン美人の話は次回します)。ミャフリかミャーリとでも読むのでしょうか? トルクメニスタン語はGoogle翻訳にもないので、情報収集と解読が困難を極めております。また、ニヤゾフ大統領時代はインターネット禁止だったので、情報も限られています。バザールにはCD・DVDショップのようなものもあり、無事にこのようなMyahriちゃんの作品集を捕獲しました。オリジナルだけでなく、グローリア・ゲイナーの「I Will Survive」やアレスタの「Mr. Saxobeat」もカヴァーしていました。
Myahriちゃんがデビューしたのは、2010年以前と思われます。2007年にベルディムハメドフ大統領による開放政策から、海外のチャンネルも解禁されたので、RU.TVというロシア系のミュージックビデオ番組がレストラン等ではよく放映されていました。だから意外と大衆音楽的には鎖国されていないのです。
初期にMVP (Rahim Bashlyk)というヒップホップ系とのコラボをして、ちょっとB-GIRL。
Senki dal (YouTube)
がらっと変わって、やはりお国柄でしょうか、2011年のこの曲からは愛国心のようなものが伝わります。
Turkmenistanym (YouTube)
2012年には、がっちりフロア指向のエレクトロ歌謡に挑戦しています。「Tans」はダンスという意味でしょう。トルクメニスタンを含めて、旧ソ連の人たちは踊るのが好きという印象があります。僕の泊まっていたアシガバートのホテルでもレストランがディスコ化して、みなさん踊っていました。
Tans etmeli (YouTube)
2013年のこの曲が、僕とMyahriちゃんとの出会いです。多分、これが一番ヒットした曲と思われます。エスニックとエレクトロの融合が妙に癖になる推し曲なので、ぜひ聴いてください。
Ayterek-Gunterek (YouTube)
辺境ポップ、お楽しみいただけたでしょうか? トルクメニスタンはつっこみどころが多いので、続編もあります。