テクノポップ/アーティストインタヴュー

岡田徹さんの架空映画音楽集II

1988年に発表された『架空映画音楽集』の続編となる『架空映画音楽集II』を発表されたばかりの岡田徹さん(Moonriders)に、この二作品に渡る想いを語っていただきました。最後にサプライズ発言あり!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ロックバンド「ムーンライダーズ」メンバーの岡田徹氏にインタビュー!

架空映画音楽集のコンセプトはどこから?

ガイド:
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架空映画音楽集

『架空映画音楽集』(1988年)は岡田さんの初ソロアルバムでもありますが、このようなテーマを思いついたきっかけは? 同様のコンセプトで、10ccの『The Original Soundtrack』(1975年)というのがありますよね。名曲「I’m Not In Love」なども収録されていて、必ずしも全曲架空サントラ曲とは言い切れない部分もありますが、触発された部分はあったのでしょうか?
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岡田:
toruokada

岡田徹氏

経緯については少し長い話しになりますが、発端はスティーブ・ハイアットのレコーディングで、渚十吾氏(当時CBSソニーディレクター)との出会いからです。この時、僕が書き下ろした「Hot Afternoon」というインストルメンタル曲が渚氏の琴線にふれたようで、以来「インストルメンタルのソロ・アルバム作りましょう」と誘われ、レコーディングがスタートしました。当時はリリースするにあたって、CMのタイアップが何曲かは必要とされていたので、その要請に対応しながら。なので、いろんなタイプの曲ができあがってしまったわけです(笑)。さて、どうやってトータルな世界感を出そうか思案している時に、渚氏が「The Unknown Movie Themes」、つまり「架空映画音楽集」のタイトルでは、の提案が。これならスッポリ全体にかぶせれば何でもアリでイケる、と。10ccを意識したというより、そんなこんなでタイトルが決まりました。

ヌーベルヴァーグ映画への思い入れ

ガイド:
ムーンライダーズにおいても、アルバム『カメラ=万年筆』(1980年)では、ヌーベルヴァーグ映画のモチーフが、タイトルにジャケにふんだんに使われいますが、やはりメンバー全員、このあたりの映画に対する思い入れは強かったのでしょうか? 岡田さん自身が特に好きな映画があれば、教えてください。

岡田:
いろいろありますが、いまDVD化もされていなので見れないモノもあるけど、「ドリームチャイルド」とか好きですね。ルイス・キャロルの生誕百年祭にアリスのモデルになった女性が、キャロルとの交流を語っていく……という話しです。まっ、基本ファンタジーだけど、突然黒いビニールの海に怪鳥が羽を広げているシーンがあったり、なかなかシュールな部分があったり……、早くDVD化されないかな。講演の最後にすっかりお婆ちゃん(確か80歳位の想定)になったアリスのモデルになった女性が、思い出を語っていくうちに「いま彼の愛がわかった」というくだり、こういうの弱いです(笑)。

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