草盆栽の作り方……野草で楽しむ！

草盆栽の作り方

今回は、秋を楽しむ草盆栽として、糸ススキとリンドウを選びました。ネット通販などでも苗を入手できますので調べてみましょう。 リンドウは「オオムラサキリンドウ」（紫色）と「ズイコウリンドウ」（ピンク色）です。
 

土と鉢の準備

用土は赤玉土と鹿沼土を使います。鉢底のゴロ土は赤玉土の小粒で、植え付け用土は赤玉土極小粒と鹿沼土の小粒を半々にした混合です。 写真のように、鉢底の排水口にネットを固定します。アルミニウムの針金でピンを作って鉢とネットを固定します。 鉢の深さの下から５分の１程度ゴロ土を入れ、排水が悪くならないようにします。 その上に混合の植え付け用土を5分の1程度かぶせ、合計で鉢の深さの5分の2程度まで用土を入れました。
 

苗の準備

リンドウやススキに茶色く傷んでいる葉がないか確認し、写真のリンドウのように黄色っぽくしなびれて傷んでいる葉や茎は元から切って処理します。 次にススキの根を箸を使ってほぐし、古い土を落としていきます。 写真のように塊のようになっていた根がまっすぐほぐれましたら、根の長さを半分程度で切りましょう。 ススキもリンドウも同じように根をほぐしましたが、リンドウはポットの中であまり根を張っておらず　簡単に土が落ちましたので、あまり根が強くないと判断し、根は切らずに全て温存しました。 続いて、全ての株を一度手の中でどのような配置にするか考えます。基本的には一番草丈が大きくなるものを背後にして、手前に花ものや背丈の低いものを配置します。
また、とても大切なポイントとして、全ての株の根張りの高さ（根が生える場所）を揃えましょう。どれか一株だけ陥没したり浮き上がって植え込まないためにも大切なチェックポイントです。そして全ての株を手の中で花束のように束ねます。
 

植え込み

先ほど花束のようにまとめた株をそのまま鉢に入れ、鉢と根の間に植え込み用土を入れます。根と根の細かな隙間にも確実に土の粒は入るように、箸で丁寧に土をすき込みます。　箸がもぐっていく感覚がなくなれば、土が入ったサインです。

土がまんべんなく入ったら、水をやりましょう。
鉢底から流れ出る水が透明になるまで、たっぷりとやりましょう。 水をやったら、写真のようにピンセットのコテの部分で用土を平にならし、続いて仕上げの苔を張ります。苔はその下の土に５ミリ程度は埋め込むようなつもりでピンセットで土に軽く差し込みましょう。 表土の土が完全に隠れるまで、隙間なく苔が張れたら完成です。 今回のように自然な雰囲気の鉢を探せば、本当に自然の一部を切り取ったような優しげな草盆栽を作れますよ。ススキにはこの後、小さな穂が上がりますし、しばらくリンドウの可憐な花も楽しんで自宅で野の風情を楽しめます！

【関連記事】

• ミニ盆栽の作り方入門編～植物・鉢選びから育て方まで
• 盆栽の真柏の剪定！方法とやり方
• 一年草や多年草の違いとは？特徴を活かしたガーデニングをご紹介
• 日本庭園を演出する花・植物とは？日本の庭に合う庭木
• ポット苗を買ってそのままはNG？ 鉢植えに植え替える方法