公用語はローマ語。店に入る前に心の準備を
イタリア旅行を計画する人の中にはサッカー好きな方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方にうってつけのローマのリストランテ「ラ・ヴィッレッタ」を紹介します。運が良ければ有名選手に会えるかも。
まず店の外には、この店の公用語ローマ語で書かれた注意書きが貼ってあります。「ここヴィッレッタでは自宅にいるかのごとくくつろげ…」から始まり、最後には「店を出るときはこいつらになにがしか残していくように。さもないと…」とウエイターにチップを置いていくよう、あながち冗談でもないような一言が添えてあります。入店する前十分に心の準備をしておきましょう。ちなみにローマ語といっても方言のようなものなので、イタリア語がわかれば理解はできます。
ローマ一色の店内
店名にある「dal 1940」とは日本語で「創業1940年」の意味。創業者は現オーナーであるクラウディオの祖母アダと祖父シルヴィオです。店内の大部屋には父アルド、奥の小部屋には母ヌンツィアの名がつけられています。
創業当時は近くのCampo Testaccioに練習場があったASローマの選手が通ったという、ASローマ御用達のリストランテです。もちろんトッティも常連で、私が食事した日も近くの席で何気に友達と歓談していました…。ちなみにまわり客は気づいているのに気にかけない風でした。どうやら、有名人がそばにいてもそっとしておく、がこの店のルールのようです。
店に入ってすぐ上の壁にはそのトッティの背番号10番のシャツが誇らしげに飾ってあります。その右はローマのシンボル、双子に乳をやる雌オオカミLupaのレリーフです。
店の壁には一面に写真が飾ってあり、ASローマだけでなく、他のチームの選手や各界の有名人も顧客であることがわかります。1960年代には画家のデ・キリコやグットゥーゾも通ったそうです。
メニューもすべてローマ語
もちろんすべてローマ料理です。ロマニスタ(ASローマのサポーター)であれば、La Curva Sud (na pizzona commovente cor sugo della matriciana e pecorino)は試したいところ。ホームのスタジアムであるオリンピコでのASローマ側ゴール裏エリアの名がついた、トマトソースとペコリーノ・チーズののったフォッカチァです。またEr tris “Roma” dedicato alla “MAGGICA” co la carbonara, la grigia e la matriciana ne o stesso piattoも。こちらはカルボナーラ、グリジア、マトリチャーナの3種類のパスタを1皿に盛った、ASローマに捧げた1品で、いかにもなネーミングのメニューが盛りだくさんです。
ちなみにトッティのお気に入りメニューはアーティチョークのニョッキと魚料理だそうですよ。
ドルチェもかなり充実しています。店に入ってすぐのところにドルチェコーナーがありますので、ローマ語で書かれたメニューに頭を悩ますよりは、自分で見に行って、スタッフに「これ!」と指差した方が話が早いかもしれません。
店のサイトでローマについて学ぶ
店のサイトのビデオ・ギャラリーのRomanacciコーナーでは、ローマを代表する俳優アルベルト・ソルディの代表作の映画の1シーンが見られます。店に行く前にぜひローマ語に慣れておきましょう。またLa VillettaコーナーではASローマのサポーターが店に押しかけて、スタジアムで歌うアンセムを繰り返す映像が見られますので、こちらもぜひ!
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■Ristorante La Villetta dal 1940 (リストランテ・ラ・ヴィッレッタ・ダル・1940)
住所:Viale della Piramide Cestia 53, Roma
TEL:06 5728 7585
営業時間:年中無休 12:30~15:00、 19:30~00:00
アクセス:地下鉄B線Piramide駅から市壁内へ向かい徒歩10分