大腿骨頭壊死症とは

股関節部にある大腿骨頭が壊死する病態で、原因がはっきりしている2次性大腿骨頭壊死症と原因のはっきりしない特発性大腿骨頭壊死症に分かれます。

大腿骨頭。

    大腿骨の股関節にある部分が大腿骨頭です。


大腿骨頭への血行は、骨盤からは全くありません。非常に狭い大腿骨頚部を通して大きな大腿骨頭が栄養されるため、外傷、アルコール、ステロイドなど様々な原因によって、血行が途絶します。血行が途絶した後の反応が疎血性骨壊死という病態です。


2次性大腿骨頭壊死症

原因となる疾患では、大腿骨頚部骨折、外傷性股関節脱臼、減圧病(潜函病)、鎌状赤血球症、放射線治療、大腿骨手術などがあります。どの原因でも原疾患の治療が優先されます。



特発性大腿骨頭壊死症

原因がはっきりしていない病態を特発性と呼びます。その中で、ステロイド治療、アルコールが2つの背景因子とされていますが、理由がまだ解明されていません。

ステロイドでは、少量の持続ではなく、大量の短期間治療、パルス療法と呼ばれる治療後に好発します。

アルコールでは1日60g(日本酒3合程度)以上の量を15年間以上飲酒すると壊死の発病リスクが高くなります。

ステロイド、アルコールが誘因でないものを狭義の特発性大腿骨頭壊死症と呼びます。


大腿骨頭壊死症の頻度・性差・年齢

20歳代ではステロイド治療が原因の発生が多く、女性によくみられます。40歳代以降では男性に多く、飲酒が原因の大部分を占めます。年間に3,000名の発生があるとされています。


大腿骨頭壊死症の症状

股関節痛が初発症状です。痛みは、階段を踏み外した時、段差を降りた時など外力が股関節にかかった際に急性の痛みが発生します。次に壊死した骨が内側に陥凹すると、股関節の可動域が減少します。外転制限、内旋制限が出現します。進行すると歩行障害が発生します。


大腿骨頭壊死症の診断

■画像診断
X線、CT、MRIなどで骨壊死を調べます。

初期ではごくわずかに陥凹した大腿骨頭が認められます。
X線。

股関節単純X線像。壊死して陥凹した大腿骨頭が認められます。


すこし進行すると、広範囲に骨頭が変形します。
股関節単純X線像。

     股関節単純X線像。


壊死の範囲が広範囲な場合、骨頭がほぼ消失します。
股関節単純X線像。

股関節単純X線像。非常に広範囲の壊死のため骨頭は消失しています。


MRIでは初期の診断が可能なこと、立体的な診断ができるので必須の検査となっています。

MRI。

股関節MRI像。骨以外の組織を含めた組織の診断が可能です。

 

大腿骨頭壊死症の治療法

■安静
壊死に荷重がかからなければ、2、3年で組織の修復により、正常な骨組織にもどることがわかっています。しかし壊死した骨頭に荷重が加わると、骨の変形が生じ、正常な股関節にはもどりません。

ですので壊死の範囲が狭い場合、壊死が非荷重部にある場合は手術を行わないで、経過観察をします。スポーツなどは制限します。

■手術
逆に壊死が広い場合、壊死が荷重部にかかる場合は手術が必要です。骨頭穿孔術、骨移植術、大腿骨頭骨切り術、人工関節置換術などが、壊死の進行の程度、部位に応じて施行されます。
手術。

人工股関節置換術。



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