昭和の家族を描いた日本映画&貧しいけどたくましいアイルランド映画
『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年度作品)
昭和33年を舞台に建設中の東京タワーを見下ろす町で暮らす人々の悲喜こもごもの物語。自動車修理工場の一家と住み込みで就職してきた少女(堀北真希)、駄菓子屋を営む三流小説家(吉岡秀隆)、一杯飲み屋の女将(小雪)と彼女の一人息子などのエピソードをからませて昭和に生きる家族の姿を描く。
豊かな時代に向かっていく登り坂の昭和の姿はあくまで背景であり、下町の人懐っこさや情の厚さにホッコリします。隣は何をする人ぞではなく、隣近所がみんな顔見知りっていうのも21世紀の今見ると懐かしいというか楽しそうでいいなと。もちろん切ない事情を抱えている飲み屋の女将やその息子のエピソードなど泣ける要素満載です。
またカルチャーなども昭和世代には懐かしく、自動車工場の頑固親父の存在も「こういうおじさんいる~」と思わせます。登場人物たちがみんな他人でも家族みたいで、この人たちの仲間になりたいと思ってしまう。西岸良平のベストセラー漫画の映画化。
監督:山崎貴 出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和ほか
『アンジェラの灰』(1999年度作品)
1930年、生活が貧しくニューヨークからアイルランドに来た夫婦(ロバート・カーライル&エミリー・ワトソン)。夫は大酒のみで家にお金を入れないため、生活はますます貧窮していく……という貧しい一家の物語なのですが、この映画の一筋の希望が彼らの子供たちなのです。
水浸しになった家の1階に船を浮かべて遊んだり、貧しいながらに知恵と工夫で毎日を彩ったりしていく子供たちがかわいくて。特に長男のフランクは賢く、夢を持って自立していく姿がまぶしい! 貧乏だけど子沢山で、飢えと寒さで子供が亡くなったり、妻が体を売ったりと、かなりドン底ではありますが、生きることを諦めない姿に感動! 生きることの厳しさと希望を捨てないことの大切さを胸に刻むことのできる映画です。
監督:アラン・パーカー 出演:エミリー・ワトソン、ロバート・カーライル、ジョー・ブリーン、キアラン・オーウェンズ、マイケル・レッグ
※家族を描いた感動映画のセレクション、有名作品もあれば掘り出し物も。いずれも見応えありますよ。まだまだ家族映画は世界中にいっぱいありますから、別の機会にご紹介しますね。