絵本

大きなおいもに大興奮!『ねずみの いもほり』

絵本を通じて、季節感も自然もたっぷりと感じることができる作品『ねずみの いもほり』をご紹介します。いもほりに全力を尽くすねずみたちととてつもなく大きなおいもに、読めばきっとさつまいもが食べたくなる楽しい絵本です。

執筆者:大橋 悦子

さつまいもを用意して読みたい(?)絵本『ねずみの いもほり』

いわむらかずおさんが描いたねずみの絵本といえば、「14ひきのシリーズ」が有名です。でも、もう1つ、とても楽しいねずみの絵本シリーズがあります。山下明生(やましたはるお)さんが文章を書き、いわむらかずおさんが絵を手がけた「7つごねずみ」シリーズです。そのシリーズの中から、14ひきに負けない愛らしい登場人物と豊かなストーリーが魅力の絵本『ねずみの いもほり』をご紹介します。この作品は、あらかじめ大きなさつまいもを用意してお読みください。だって、読めば必ずおいもが食べたくなるんだもん!

手作りスコップが「いもほり大会」勝利の決め手

『ねずみの いもほり』の表紙画像

「お家に帰る迄が芋掘りです」と言いたくなる、行きも帰りも楽しいお話

お父さんねずみが、子どもたちのために熱心に何かを作っています。いもほり大会用のスコップです。一見普通のスコップに見えますが、ホッピングがわりにぴょんぴょん跳びもできるし、そりすべりや電車ごっこも可能で、時にはケーブルカーにも変身するスペシャル・アイテムなのです。

そのアイテムを駆使して、ねずみたちはいもほり農園に1番乗りでやってきました。続々と動物が集まってきて、いよいよいもほり大会が始まります。みんな優勝を狙っていますが、ねずみたちだって負けてはいられません。「はっぱをどけて、つるをたぐって、ねもとのまわりをどんどんほって、それからみんなでちからをあわせてひっぱれば、」お父さんも見たことがないほど大きなおいもが出てきました。

収穫したさつまいものイメージ画像

これは豊作! ねずみたちが収穫したおいももこの中に?

と、まあ普通のお話ならここで終わりになるところですが、『ねずみの いもほり』はここからがクライマックスです。見事1等賞に輝いたねずみたちですが、大きなおいもをどのように持ち帰ればよいのでしょう? 手作り上手なお父さんは、カヌーを作って川を下って行こうと思いつきますが……。

えっ、まさかそんなものでカヌーを作るなんて! しかも、あのスペシャル・アイテムにそんな使い方があったなんて! 読者の想像をはるかに超えるカヌーの川下りが、その日1番の冒険になってしまうのですから驚きです。

さて、お話を読み終えるとやっぱり焼き芋が食べたくなってきますね~。 そんな時はぜひお父さんに手伝いを頼みましょう。『ねずみの いもほり』はおいもがテーマのお話ですが、もう1つのテーマは間違いなく「お父さん」です。手作り上手でアイデアマン、子どもたちを楽しませることに一所懸命のねずみのお父さんは、正真正銘のイクメンです。

そんなねずみのお父さんにあやかって、ここはひとつ我が家のお父さんにも活躍してもらいましょう。『ねずみの いもほり』の読み聞かせから焼き芋作りまで担当してもらえれば、お父さんの株があがること間違いなしです。


【書籍DATA】
山下明生:作 いわむらかずお:絵
価格:864円
出版社:ひさかたチャイルド
推奨年齢:4歳くらいから
購入はこちらから 


<参考>
過去記事で、絵を担当したいわむらかずおさんの「えほんの丘美術館」をご紹介しています。7つごねずみたちが飛び出してきそうな里山に立つ美術館では、絵本だけでなく自然の中での外遊びも満喫できます。 ⇒ 親子で楽しむ絵本館・絵本美術館

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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