シングル女性の老後資金準備をチェック
事例を使ってシングル女性の老後資金準備を考えます
【事例】
サトウナオコさん(46歳)は、カフェのオーナーです。専門学校を卒業してから飲食関係の仕事に就き、40歳のときに自分のカフェをオープンしました。サトウさんは20歳から第1号被保険者として国民年金に加入しており、今後は自分のカフェを法人化する予定はないので60歳まで国民年金のみに加入するつもりです。また、サトウさんは未婚で、結婚の予定はありません。
サトウさんは医療保険と生命保険に加入していますが、それ以外は特に老後の準備をしていません。また、定期預金に500万円ほど残高がありますが、特に用途は決めていません。
サトウさんはカフェの経営を優先し、老後資金準備は考えたことがありませんでした。できるだけ長くカフェを続けたいと思っていますが、最近国民年金だけだと老後の年金が少ないことを知り、不安を感じています。そこで、現在加入している医療保険と生命保険の見直しも含め、無理のない老後資金準備を始めたいと考えています。
●サトウさんの医療保険・生命保険の契約内容 サトウさんは扶養する家族はいないので、高額な死亡保障は必要ありません。女性保険に死亡保障が付いているので、掛捨ての定期保険は死亡保障を低くする、あるいは解約するなどの見直しが可能でしょう。また、保障の異なる3種類の医療保険に加入しており、保険料を毎月16,400円負担しています。それほど高額な保険料ではありませんが、すべて終身で保険料を負担し続けなければなりません。今後保険料の負担が40年間続くと仮定すると、800万円近い負担になります。それぞれの保険契約で保障内容が異なりますが、入院給付金や手術給付金など共通している保障もあります。保険契約を絞り込み、不足する保障内容は特約などで補うと無駄のない保険契約になるでしょう。
また、現在の保険契約では退院後の保障がありません。サトウさんのようなフリーランスの人は、退院後の保障を医療保険だけでなく所得補償保険で準備することができます。所得補償保険は、病気やけがで仕事ができない場合の収入を補てんする保険で、毎月の収入から契約できる保険金額が決まります。入院だけでなく、通院や自宅療養で仕事ができない場合も保険金が支払われるので、退院後の治療についても保障されます。
また、サトウさんは20歳からずっと第1号被保険者なので、将来の年金は老齢基礎年金のみです。老後資金準備としては公的年金の上乗せを準備する必要があるでしょう。第1号被保険者の上乗せ年金として最もメリットが大きいのは、国民年金基金です。公的年金と同様終身年金で、所得控除等の税制面も公的年金と同様です(税制面のメリットは「年金と税金~源泉徴収と確定申告」をご覧ください)。サトウさんの場合、46歳誕生月に終身B型に2口加入すると、毎月の掛金は月20,835円で、65歳から終身で毎月1.5万円の年金を受給することができます。掛金の負担は60歳までで、前納すると割引きを受けることもできます。医療保険や生命保険を見直せば無理せず負担することができることでしょう。
シングル女性は、死亡保障より生存保障を充実する必要があるといえます。生存保障も病気やけがだけでなく、長生きへの保障も大切です。預貯金や医療保険だけでなく、国民年金基金の利用など、上乗せ年金を準備することで生存保障の充実を図りましょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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