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企業寮をシェアする 月島荘のその後

月島に誕生した定員644人のシェア企業寮「月島荘」。壮大な実験とも言えるプロジェクトの本格スタートから9カ月が経過。9月15日に寮に住む人やその友人たちによる秋まつりが開催されました。その様子と月島荘のようなシェア企業寮に暮らす意味を考えてみました。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

定員644名の巨大なシェア企業寮「月島荘」で秋まつりが開催
共用のキッチンダイニングを使って、ごはんを提供

月島荘で行われた秋祭りの風景

月島荘で行われた秋まつりの風景

月島に誕生した巨大なシェア企業寮「月島荘」。交通アクセスの良い都心立地。644人の定員というスケール感。英語で話すなどクラスター別にわかれたフロア構成などリリース直後に多くの注目を集めました。2014年1月の本格稼働から9カ月が経過。2014年9月15日現在で、26社、約210人の人が月島荘で過ごしています。
月島荘の書棚

月島荘の書棚。本は入居者の寄贈のもの

壮大な実験とも言える巨大企業寮のシェア。企業の業種が重ならないように配慮しており、多種多様な企業の社員が暮らしています。年齢層は、20代の社員が多いとのこと。男女比は、男性が約7割で女性が約3割です。
月島荘の秋祭りの様子

月島荘秋まつりの様子

秋まつりでは、いくつかのチームに分かれてキッチンダイニングでごはんを提供。「たこ焼き」や「鶏の丸焼き」などが販売されました。イベントに参加している入居者の方にインタビューをしましたが、月島荘の暮らしに対して高評価の方が多かったです。

都心での快適な居住と入居者の交流が魅力
企業寮であるが故に、従来のシェアハウスとの違いも

月島荘内の施設

月島荘内の施設

食事をしていた男性のグループに話を聞くと、月島荘が暮らしやすい理由としてまず挙がったのは、立地。汐留方面に勤めているとのことで、会社までの通勤時間が短い事をメリットの一つに挙げていました。他の入居者も都心勤務者が多く、通勤が楽なことを暮らしやすい理由に挙げる人は多いようです。
月島荘の秋祭りの様子

月島荘秋まつりの様子

もう一つは、月島荘内の交流です。業種や年齢層、趣味・嗜好が異なる人と知り合うきっかけが多いとのこと。「多様な考え方に触れること」がとても刺激的だそうです。ときには遅くまで語り合うこともあるといいます。
調理場

共同で利用できるキッチンダイニングを使ってごはんを提供

秋まつりのイベントでは、ショートスピーチのコーナーで、入居者の日頃のとりくみを紹介する場面がありましたが、いずれも気持ちのこもったプレゼンテーションで、進取の空気を感じました。

企業寮ではありますが、賃料10万5千円に共益費が7千円、水光熱料1万円(税別)と決して安くはありません(家賃は、企業が負担しているケースが多い模様)。また、1社当たり3,000,000円の保証金も必要ですので一定の規模の企業が中心になってくるでしょう。参加する企業の中には、人材育成の一環として考えるケースもあるのではないでしょうか。

人が成長する為に重要な環境や出会い。月島荘には、通常の賃貸暮らしでは得られない出会いの場があると思います。共有スペースを確保する一方で、居住面積が18平米と狭いので長期間月島荘で暮らす人は少ないのではないかと私は考えますが、若い時期の密度の濃いかけがえのない時間を得られるかもしれません。壮大な実験とも言える巨大な企業寮のシェアは始まったばかりですが、どちらかというとコスト優先で入る人も多いシェアハウスとは一線を画したプライベートとコミュニティのバランスのとれた場がここにはあるように感じました。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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