アルル/フランス
ゴッホが描いた作品の舞台としても知られる南仏プロヴァンスの都市、アルル。南仏特有の温暖な気候、ローマ時代の遺跡、そして町の北を流れるローヌ川、オレンジとベージュで構成された古い街並が特徴の町です。どこかのんびりとした空気が流れ、人々も明るくてとてもフレンドリーなのもプロヴァンス地方都市の特徴。そんな魅力たっぷりの南仏の町アルルをご紹介します。アルルってどんな街?
アルルは南仏はプロヴァンス地方の都市です。大都会ではありませんが、田舎というわけでもなく、ちょうどよい中規模の町といえそうです。じっくり見るなら2、3日あると理想的ですが、主要スポットをざっとまわるなら1日でも可能。町の北から西にかけてローヌ川が流れ、旧市街には世界遺産にもなっているローマ時代の遺跡とロマネスク様式の教会があり、南仏特有のオレンジ色の古い街並が広がるフランス有数の観光地となっています。ゴッホがこの町に魅せられて数多くの作品を残したことでも知られています。南仏特有の温暖な気候のせいか、人々が明るくて親切なところはパリと全く違うところであり(笑)、外国に来ているかのような錯覚に陥ります。フランスのチャーミングな面を見せてくれる、とても魅力的な町なんです。
アルルへの行き方
パリからアルルへはTGVで行くのが最も一般的です。南仏方面の列車が発着するパリ・リヨン駅から直通で約4時間で着きます。チケットはsncfの予約サイトで英語かフランス語で予約するか、日本語ならレイルヨーロッパで予約することができます。もちろん当日空席があれば、現地の駅にある券売機や窓口で直接購入することも可能です。パリ市内ならリヨン駅、北駅、東駅、サンラザール駅、モンパルナス駅などの主要駅やsncfのブティックで買うことができます。
アルルの駅は旧市街の北にあり、旧市街の入口まで約5分、中心まで約10分ほどで着きます。
アルルの見どころ1 円形闘技場
アルル一番の見どころは、この円形闘技場です。地元の人からは「アレーヌ(フランス語でアリーナの意味)」と呼ばれ親しまれています。建設は1世紀末頃といわれており、2万人もの観客を収容できる長径136メートルもある大闘技場で、現在もここで定期的に闘牛が行われています。一番上の席まで上れば、オレンジ色の屋根が並ぶアルルの美しい街並が見下ろせる絶景ポイントとなっています。ロバート・デ・ニーロ主演のハリウッド映画「RONIN」の舞台にもなっています。
■円形闘技場 Amphithéâtre (Arenes)
住所:1 Rond-point des Arènes 13200 Arles
電話:08 91 70 03 70
時間:9:00~17:30(3・4・10月)、9:00~18:00(5~9月)、10:00~16:30(11~2月)
休館日:祝日
料金:5.5ユーロ
アクセス:アルル駅より徒歩10分
アルルの見どころ2 古代劇場
闘技場からすぐの所にあり、紀元前1世紀頃に建設されたローマ時代の半円形の野外劇場で、当時は劇場としては最大の規模を誇りました。現在は大理石の円柱が2本残っているだけですが、夏にはコンサートやオペラなどが上演されています。
■古代劇場 Theatre Antique
住所:Rue du Cloître 13200 Arles
電話:04 90 49 38 20
時間:9:00~11:30/14:00~17:30(3・4・10月)、9:00~18:00(5月~9月)、10:00~11:30/14:00~16:30(11月~2月)
休館日:祝日
料金:3ユーロ
アクセス:アルル駅より徒歩10分
アルルの見どころ3 サン・トロフィーム教会
円形闘技場、古代劇場と同様世界遺産に登録されている文化遺産であるサン・トロフィーム教会。こちらは中世の時代に建てられたロマネスク様式の教会になります。正面入口の彫刻も見事ですが、最大の見どころといえば、やはり回廊です。ロマネスク様式とゴシック様式が混在している折衷様式で、特に円柱に施された聖書をモチーフにした彫刻は美しくて繊細です。僧侶が瞑想をするための場所が教会の回廊。中庭に優しく差し込む光を眺めながら静寂を感じていると、自然と心が落ち着いていくのがわかります。
■サン・トロフィーム教会 Eglise St Trophime
住所:2 Rue du Cloître 13200 Arles
電話:04 90 49 38 20
時間:9:00~17:30(3・4・10月)、9:00~18:00(5~9月)、10:00~16:30(11~2月)
休館日:祝日
アクセス:アルル駅より徒歩15分
アルルの見どころ4 古い街並とフォーロム広場
南仏特有のベージュやパステルカラーに彩られた建物が並ぶ旧市街は、ゆっくりと散歩したいところ。迷路のように入り組んだ細い路地がたくさんあるので、あえて地図を見ないで雰囲気のよさそうな所を選んで迷いながら歩くのも楽しいですよ。町の南東の端にはムルグの塔といって旧市街全体を見下ろすことができるビューポイントとなっています。そして、アルルの旧市街の中心に位置するフォーロム広場に立ち寄るのもお忘れなく。ゴッホの名作「夜のカフェテラス」の舞台になったカフェ・ヴァン・ゴッホがある賑やかな広場で、他にもホテルやバー、レストランが集まっています。ここで地元の人に交じってお茶やお酒を飲むのがおすすめです。
アクセス:アルル駅より徒歩10分
アルルの見どころ5 エスパス・ヴァン・ゴッホとポン・ヴァン・ゴッホ(跳ね橋)
エスパス・ヴァン・ゴッホはゴッホが入院した病院の跡地に1989年に総合文化センターとしてオープン。内部には図書館やメディア資料館、展示会場などが入っており、アルルの文化発信の拠点となっています。ゴッホが描いた「アルルの療養所の庭」を再現した中庭も必見です。中心街から南へ約2kmほど離れた位置にあるのは、「アルルの跳ね橋」のモチーフになったヴァン・ゴッホ橋。かつては土地の名にちなんでラングロワ橋と呼ばれていました。運河にかかる橋は船が通ると左右に開く開閉式で、ゴッホの絵の中では橋がかかる状態で描かれていますが、現在は開いた状態となっています。
■エスパス・ヴァン・ゴッホ Espace Van Gogh
住所:pl. Félix-Rey F 13200 Arles
電話:04 90 49 39 39
時間:13:00~18:30(水曜10:00~、土曜10:00~17:00)
休館日:日・月曜(7・8月は日・月・土曜)
料金:無料
アクセス:アルル駅より徒歩15分
■ヴァン・ゴッホ橋 Pont Van Gogh
住所:Canal d'Arles à Bouc 13200 Arles
アクセス:バスターミナルより1番バスのBarriol行きで終点下車後、徒歩約10分。
アルルのイベント
毎年7月に行われる衣装祭りは、アルルの祭りの中で最も華やかな祭りです。伝統的な民族衣装を着た人々のパレードは圧巻。最後尾には女王だけが着られるという純白の衣装をまとった「アルルの女王」が登場し、最高の盛り上がりを見せます。毎年7月に行われる写真祭も有名です。世界遺産をはじめ、街中のあらゆるスポットで写真が展示され、アートに身近に触れられる機会となっています。
・衣装祭りのHP
・写真祭「Voies Off」HP
アルルで食べたい料理
トマトをはじめとしたフレッシュな野菜を使うのが特徴で、ニンニクを使ったマヨネーズソースであるアイオリで食べます。メインはニンニク、オリーブオイルで焼いた肉や魚にハーブをトッピングした、シンプルでさっぱりしたヘルシーな料理を楽しんで下さい。その際はぜひ、キリッと冷えたコート・ド・ローヌのロゼをお供に。
アルルで買うお土産
雑貨なら、赤や黄色などの鮮やかな色使いのプロヴァンス柄のサシェに入ったラベンダーがおすすめ。また、プロヴァンス地方の自然派石鹸サボンドマルセイユは肌に優しいと評判です。キリストや聖書をモチーフにしたサントン人形はプロヴァンス地方の名産品です。カラフルな色使いに丸みをおびたフォルム、そしてどこかユーモラスでほっとするような人形たちの表情は、インテリアのデコレーションにもぴったりです。
プロヴァンスのハーブは、料理をする人には喜ばれるでしょう。焼いた肉や魚にかければ、手軽にプロヴァンス料理がいただけます。それからゲランド、イルドレと並ぶフランスの3大海塩であるカマルグにも近いので、カマルグ塩もおすすめ。少し甘みがある深い味わいで、料理がぐんと美味しくなりますよ。
・アルル観光局
・アルル主要スポットデータ
・アルル近郊のバス会社HP