東京・神奈川・千葉・埼玉に住む/23区北[豊島・板橋・北]

王子、江戸の行楽地転じて北区の中心地(2ページ目)

八代将軍徳川吉宗が桜を植えさせたことから花見の名所として賑わい、同時に稲荷信仰の聖地としても栄えた王子(北区)。その後、日本の製紙業がこの地から始まったという歴史ある街の現在をご紹介しましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド


開発計画の噂はあるものの実現は?
駅から離れた場所なら手頃な物件も

開発エリア

都電荒川線駅近くから眺めた、現在開発が行われているエリア(クリックで拡大)

全体としては古くから開発されてきた場所であり、それほどにまとまった土地はありません。地元では長らく駅前から印刷局王子工場までの開発の話が期待を込めて度々浮上しますが、工場移転自体、今の時点では決まっているわけではありません。それと絡めて区役所移転もささやかれてはいますが、こちらも同様。

ただ、駅前に建物が密集していたり、未利用、低利用地があるのも確かで、今後整備が進む可能性はあります。実際、現在建設が進んでいるマンションは元テニスコートや駐車場があった場所で、駅前にそうした施設があるのどかさが許される時代ではなくなりつつあるのかもしれません。

 

バス

駅前から都バスを始め、複数バス会社が運営する多くの路線が発着している(クリックで拡大)

また、地名で言えば豊島、滝野川エリアには駅からバス便、歩くと20分近くという場所もあります。新田は王子からであればバス便必至です。

 

住宅の高さ

明治通りを超えると駅から遠ざかるにつれ、建物の高さが減じていくのが手に取るように分かる(クリックで拡大)

まず、新築マンションで言うと、これまでもそれほど数があったわけではなく、現在も建設中なのは1件だけ。ただ、非常に駅に近い場所でもあり、地元では話題のひとつになっています。価格はカップル向きの2LDKで4000万円から5500万円、ファミリーで60平米以上を考えるなら6000万円台というところです。

 

下駄ばきマンション

駅に近いエリアでは最近少なくなった1階に店舗の入った、いわゆる下駄ばきマンションが目に付く。戦災後に区画が整理されたため、きれいに四角い区画も多い(クリックで拡大)

中古マンションでは築40年という古い物件、駅から徒歩20分近く歩くなど安くなる要因のある物件もあり、安いものでは60平米で2000万円ほど。築20年以上で、その広さで考えるのであれば3000万円を目安にすればなんとかなるはずです。安くて、広く、新しい物件を探すのであれば、前述の新田エリア。築数年以内で80平米、90平米の物件が3000万円台で手に入ります。ただし、エリア内の利便性は高くなっているとはいえ、足回りの利便性は変わりませんから、そのあたりはよく検討してみる必要があります。

 

一戸建ての掲示

全体に小さな区画が多く、一戸建てでも1棟、2棟程度の現場が中心(クリックで拡大)

新築建売一戸建てでは徒歩圏、土地面積50平米程度のコンパクトな3LDKが3000万円から。バス便利用であれば同じくらいの価格で土地面積が90平米前後、広めの4LDKを探すこともできます。

 

王子駅周辺

様々な業種の店舗、飲食店が揃う王子駅周辺。若い人にも使い勝手は良いはずだ(クリックで拡大)

賃貸はワンルームマンションで7万円前後、2DKで9万円と言ったところ。学生も多いので、探せば5万円台の物件もありますが、アパートはそれほどには多くありません。沿線全体でみると赤羽よりはやや高く、田端、日暮里よりは手頃です。

 

都電荒川線

意外に使えるのが都電荒川線。他路線と交差している場所も多い(クリックで拡大)

歴史のある街ながら、3路線が利用でき、本郷通り、明治通り、北本通り、首都高速中央環状線王子北出入り口が近いなど、足回りも良い王子。北区の行政の中心地という利便性もあり、便利だけれどのんびりした暮らしを望む人なら訪れても良い街ではないでしょうか。

 





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