ローマ郊外の閑静な彫刻美術館
ローマには実はまだまだ知られざる博物館や美術館が数多くあります。ヴェナンツォ・クロチェッティ美術館もその一つ。博物館や美術館が休館することが多い月曜日にも開いており、しかも入場無料なのです。旅行者であふれかえる美術館見学に疲れてきたら、ぜひお勧めしたい閑静な彫刻美術館です。彫刻家ヴェナンツォ・クロチェッティ
ヴェナンツォ・クロチェッティ(1913~2003)は、日本で何度も個展を開催、来日回数は5回に及び、日本での作品所蔵数はイタリアに次ぐという、わが国とゆかりの深い現代イタリア具象彫刻家です。2012年には、箱根彫刻の森美術館といわき市立美術館で生誕100年記念の展覧会が開催されています。クロチェッティは優しい表情の人物像や宗教的主題の作品を数多く制作しました。またローマの動物園でデッサンを重ね、生き生きとした動物像を多数残したことでも知られています。
クロチェッティ美術館の見どころ
館内に入って右のスペースには、バチカン・サンピエトロ聖堂の「秘跡の扉」と、その左右に聖ペテロとキリストの像が置かれています。ここで注目したいのは、バチカンで秘跡の扉の取っ手として使われているこの2体の像です。秘跡の扉は、現在サンピエトロ聖堂の見学者のための入口として使われており、常に開いた状態。裏側にある取っ手を実際に目にすることはまずないため、ここで見られるのとても貴重です。
美術館のオープンは、クロチェッティ没後の翌年、2004年です。 実はここはもともと、彼の住居と仕事場でした。奥にはアトリエが保存されており、制作途中の作品とともに、まるで時間が止まったかのような空間になっています。地下にある彫刻家自身が設計した礼拝堂を厳かな気持ちで訪れれば、彼の宗教的主題作品への理解が深まることでしょう。
クロチェッティ美術館では企画展も催しています。2015年1月12日から1月28日までは、国際的に活躍するイタリア人彫刻家ジョゼフ・パーチェの個展を開催しています。宝石をちりばめた作風が特徴で、つい最近その作品がボンコンパーニ・ルドヴィーシ美術館に収蔵されたことでも話題のアーティストです。2月1日から2月14日まではイタリアの画家アンドレア・アルファーノ展を開催します(アルファーノ展期間中 月曜~金曜11時~13時、15時~19時、土曜11時~19時、日曜休館)。入場無料。
見学後のお楽しみ
美術館見学後のお楽しみ、受付ではセンスのいいミュージアム・グッズを販売しています。クロチェッティ作品がプリントされたTシャツ(長袖35ユーロ、半袖25ユーロ)、トートバッグ5ユーロ、マウスパッド5ユーロ、鉛筆2.5ユーロです。カタログや書籍も多数販売しています。
またクロチェッティ博物館のサイトでは、無料で携帯壁紙のダウンロードができます。クロチェッティ作品を気に入った方はぜひ!
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■Museo Venanzo Crocetti (ヴェナンツォ・クロチェッティ美術館)
住所:Via Cassia, 492 Roma 00189
TEL:06-33711468
開館時間:月曜、木曜、金曜11:00~13:00, 15:00~19:00、土曜、日曜11:00~18:00
入場無料
アクセス:ローマからカッシア街道を北上するとすぐ右側にあります。バス221, 222, 223, 301番(222番と301番はPiazza Manciniが始発)で、右手に美術館を通り越したら、すぐVia CassiaのS.Godenzioの停留場に着きます。下車してカッシア街道沿いに戻って徒歩1分。
※入口が閉まっていたら、呼び鈴を鳴らして下さい。