効率的な通風を確保するためには、間取りはもとより開口部のプラン、建材選びも重要。最近では、窓サッシメーカーから風を効率的に取り入れる工夫を施した窓サッシなども提案されています。ここでは、通風の基本と通風窓や採風窓などとも呼ばれる窓サッシとは、どのようなものかをまとめました。
[写真協力] YKK AP
風を取り入れるためには、入口と出口を確保
最初に、自然の風を上手に取り入れるためのプランニングの基本からみていきましょう。風通しをよくし、効率的に換気を行うためには、風の入口と出口をきちんと作ることが大切です。いくら大きな窓を設けても、入口だけでは風が通り抜けることはできません。入口と出口は対面する位置に配し、ある程度、離れているほうがいいでしょう。また、どちらかを高くし、もう一方を低くすると、風の流れが生まれます。
ひとつの壁面では上下で通風を確保
上下2枚の障子の間にFIX窓をはさみ、下障子を開閉すると上障子も連動して開閉。ガラリによって換気可能。[エイピアJ ダブルハング換気窓]
メーカーの商品には、あらかじめ上下に開口部を設けて風を通す工夫をした窓サッシなどがみられます。縦に細長い窓の上下が開閉でき、また、スリットを設けるなどして通風を図るものです。湿気が溜まりやすい洗面室などに設置するといいでしょう。
風の流れに合わせて効率的にキャッチ
風通しのよい住まいづくりで忘れてはいけないのは、敷地の特性と周辺環境を把握すること。事前に、敷地の風の流れ、季節による変化などを調べておくことも大切です。また、せっかく窓を設けても、適した形状ではない場合、風をとり込むことができないことも。窓の配置や形状は、環境を考慮してプランニングすることを忘れずに。メーカーからは、引違い窓ではとり込むことができない流れの風を、縦型の滑り出し窓を設けることで、室内に呼び込むなどの提案も。開いた窓障子が風を受けとめるため、風をとり込む効果が高いとか。吊元(窓の開閉方向)を工夫することで、スムーズに風をとり込むことができるでしょう。スリムな縦滑り出し窓をFIX窓などとつなげて連窓としたり、滑り出し窓を縦に並べた商品などもみられます。
風をとり込む機能を重視した窓サッシは、各メーカーから提案されていますが、周辺環境や間取りプランを十分に検討し、適材適所に取り入れることが大切です。
また、窓だけでなく、玄関扉や勝手口扉でも通風可能な商品が提案されていますし、室内建具でも風を通す扉や欄間なども増えてきています。住まい全体をトータルに考慮し、それぞれを設置した場合の効果などを設計担当者に確認しつつプランニングすることが大切でしょう。
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