大学生の就職活動

キャバクラ経験のある女子学生が就活に強い理由とは(2ページ目)

就職活動の面接で必ずと言っていいほど語ることになる「アルバイト経験」。学生はそれぞれさまざまなアルバイトを経験しているが、中にはキャバクラなどの水商売を経験してきた女子学生もいる。そしてそんな学生は、なぜか就活に強い傾向があるように感じる。その理由を、ガイドの経験も交えて考察する。

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

成果を出す人が持っている「ガチンコ力」

最近では男女問わず「一般職」に人気がある。出世して管理職になるコースではないが、総合職の様に重い責任や 業務を担うこともなく、ワークライフバランスを大事にして働けるイメージがあるのだろう。このように、今の若者はあまり競争を好まず、仕事で高い成果を出すことよりも自分のプライベートを充実させたいという志向が強い と感じる。

だが現実的には「競争」「成果にこだわること」を避けて通れるビジネスやビジネスマンは少ない。そのため新入社員研修などでも「成果を出す事にコミットする姿勢を身につけさせてほしい」というオーダーをよく頂く 。

私も以前はリクルートという、女性総合職が活躍している企業で働いていたが、やはりMVPになる女性社員などは明 らかにこの「成果にコミットする姿勢」が強い。このような、目の前の競争から逃げずに本気になって物事に取り組める力を私は「ガチンコ力」と呼んでいる。

体育会出身の学生は分かりやすいが、実はキャバクラで働いた経験のある学生もこの「ガチンコ力」が非常に高 いのだ。

実はかなり過酷な競争環境の中で働いているキャバクラ嬢

実はかなり過酷な競争環境の中で働いているキャバクラ嬢

キャバクラに行ったことがある方ならわかると思うが、基本的に女の子の給料は指名料やお客様のドリンク料などの歩合で決まる。

そのためただニコニコ接客しているだけではダメで、いかに自分のファンになってもらうかを真剣に考える。社会人とのトークを磨くためには新聞やニュースもチェックし、当然メイクの仕方なども勉強する。そしてそれらの努力は数字として如実にフィードバックされるのだ。

 

アルバイト経験のある大学生は多いだろうが、中でもキャバクラのように極端な「成果主義」の環境に身を置いたことのある学生はかなり少数なのではないだろうか。

学生時代に1度でも「地道な努力が成果に結びついた」経験をしている学生は、社会に出てからも必ず成果に対して楽しみながらコミットする。それを経験ある企業の人事担当者はよく理解しているのだ。

私がセミナーで会った女子学生がキャバクラ経験者かもしれないと思ったのも、彼女の外見や周囲の学生との話し方だけでなく、目の前のことに楽しみながら一生懸命になっている彼女の姿勢が見えたからだ。

華やかな外見や巧みなコミュニケーション力が目立つ「キャバクラ嬢」だが、実は社会に出たときに必要な「成果にコミットする姿勢」を身につけ「地道な努力が結果に結びつく体験」を経てきた人材なのだ。

当然、水商売経験をすべての学生に勧めるわけではない。だが例え水商売でなくても、成果を出すために必死に試行錯誤しながらチャレンジする「ガチンコ体験」は出来るだけ経験してほしい。
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