骨・筋肉・関節の病気/腱鞘炎・ドケルバン病・ばね指

「スマホ腱鞘炎」…手放せない人は要注意!

「スマホ腱鞘炎」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 気付けばスマホが手放せなくなっている人に発症しやすい腱鞘炎の症状です。手首や指の症状を我慢してまで、スマホをいじってしまう人もいるようです。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

手首が痛くてもスマホがやめられない!

スマホは便利ですが健康への影響が心配な点もあります

スマホは便利ですが健康への影響が心配な点もあります

多くの人が便利に使っているスマートフォン(スマホ)。最近増えつつある、「スマホ腱鞘炎」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? その名の通りスマホ利用が原因で、手首や手指の痛み、腫れなどの腱鞘炎の症状を引き起こしてしまうことがあります。

スマホ腱鞘炎になり、手首や指の痛みや腫れといった症状に悩まされつつも、「それでもやめられない」というのが、スマホの困った点です。痛みを我慢してスマホをいじっている人もいます。


スマホ操作でどんな影響があるの?

腱鞘炎を治すには、その原因となるものから遠ざかることが必要だと言われています。しかし、今や生活必需品ともいえる存在のスマホは、仕事のツールとしても、毎日欠かさず使われている人も多いでしょう。そのため、手・腕の負担を減らすことが難しいケースも多くなっているのです。

具体的にスマホ使用の何が悪影響を与えているか? ということですが、考えられることがいくつかあります。

■スマホ操作を片手で行う
スマホ操作は片手で行うことが多いものです。例えば、右手にスマホを保持しつつ、右の親指で操作を繰り返していたとします。この動きを頻繁に行っていると、筋肉の使い方にも偏りが生じて、手・腕の関節や筋肉に負担がかかりやすくなります。

■関節を曲げている時間が続く
腱鞘炎になりやすい状態かどうかの目安として、指を思いきり広げたり、肘をしっかり伸ばしたりしづらくなる、というものがあります。それは、スマホ操作では、複数の関節を曲げた状態にキープさせることが多いためです。手・腕の筋肉がこってしまい、血流が滞ることになります。

■腕の筋肉が緊張しやすい姿勢に!?

スマホを使用している時の姿勢を思い返してみましょう。スマホを持つ腕は、体の前方にあると思いますが、この時、スマホを持つ方の肩が前方へ巻き込むような位置にありませんか? さらに、頭もうつむき加減になることで、首の筋緊張も起こります。この姿勢は、腕の筋肉の過度な緊張を招くことに繋がる可能性があります。


スマホ操作と併せて手、腕に負担をかける生活をしている

スマホ腱鞘炎の可能性がある人の中で、スマホを使用すること以外にも手・腕に負担をかける機会が日常生活の中にあるケースがよく見受けられます。例えば、デスクワークでパソコンを長時間、毎日使用すること。そして、手持ちの通勤カバンが重くて、持ち手を握る手に力が必要、という人。

赤ちゃんを抱っこすることが頻回で、腕の疲れを感じつつも、暇があればスマホをいじる、など、生活スタイルによっても様々な要素が隠れています。このような人は、既に手や腕の筋肉が疲労している可能性があり、スマホを使用することで、さらに腱鞘炎に見舞われるリスクを上げてしまうかもしれないのです。

 

スマホ腱鞘炎予防のエクササイズ

このように日頃から、手や腕の筋肉疲労をためやすい生活を送っている人や、姿勢のアンバランスが気になる人、そして、スマホを使用している人は、腕の筋肉をリラックスさせるためのエクササイズを行い、スマホ腱鞘炎を予防しましょう。毎日のスマホ操作で、状態を悪化させ発症させないようにしたいものです。

握る部位の目安は、手首の骨の出っ張り部分です

握る部位の目安は、手首の骨の出っ張り部分です

1. スマホを持つ方の手、または、日頃使うことが多い方の手(左右どちらも! という人も多いです)の手首を握ります。手首にある骨の出っ張りが確認できましたか? その部分を握ることになります。






手先はリラックスさせておいて下さいね

手先はリラックスさせておいて下さいね

2. 手首を握るポイントは、手首にある骨の出っ張り部分を両サイドから中央へ向けて圧するように意識することです。強く握り締めず、軽い圧でも大丈夫です。






手先が揺れている様子です

手先が揺れている様子です

3. 手首を握り、手先はダラリと脱力をしたまま、手首を揺すります。(10秒間×3回ほど)

ポイントは、(この写真では)右手首を握っている左手の動きによって、右手がぶら~んぶら~んと気持ちよく揺すられるようにすることです。



同じく手先が揺れている様子です

同じく手先が揺れている様子です

手首の骨の出っ張りを両サイドから寄せるような圧ではない場合、末端への血流を止めてしまうことがあるので、その点はご注意ください。

手首を締めるような圧が伝わると、腕の筋肉が緩みリラックスしていきます。手首の痛み自体も緩和する場合もあります。

※ 何か気になる症状が出た場合は中止してください。


【関連記事】
■腱鞘炎の基礎知識はこちらをご覧ください
■腱鞘炎チェックはこちらをご覧ください
■腱鞘炎の予防方法についてはこちらをご覧ください

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