エクステリア/庭・エクステリアの基礎知識・デザイン

エクステリア空間に必要な建材商品の種類と特徴

住まいの外まわりを検討する際には、さまざまなエクステリア建材を選ぶ必要があります。ここでは、取り入れるケースも多い、エクステリア商品の種類と特徴、最新傾向をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

エクステリア建材は多種多様。豊富な商品がラインアップ

undefined門扉やフェンス、カーポートなどトータルなコーディネートが可能な商品も多くみられる。undefined[エクステリアコーディネイト PLAN18undefinedベーシック]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

門扉やフェンス、カーポートなどトータルなコーディネートが可能な商品も多くみられる。 [エクステリアコーディネイト PLAN18 ベーシック]  YKK AP

住まいの設備や建材の中でも、エクステリア(外構)関連の商品は多岐にわたります。大きく分けると、敷地境界を明確にし、エントランス部分を構成する門まわりやフェンス、車庫まわりのカーポートやゲート、快適な空間を生み出すデッキやサンルームなどがありますが、照明や屋外水栓、手すりなど、より快適性や使い勝手を高める細かなアイテムも含まれます。

新築やリフォームなどでエクステリアプランを検討する際には、これらのさまざまな建材商品を取り入れることが多いでしょう。もちろん、オリジナルで造作することもできますが、エクステリアメーカーからは、豊富な商品がラインアップされ、さまざまな空間にコーディネートすることが可能です。

エクステリア商品の種類と特徴

■門扉  開き戸と引き戸タイプ。アルミ形材が一般的
門扉のスタイルには、開き戸タイプと引き戸タイプがあります。多く取り入れられているのは開き戸タイプですが、最近では、限られたスペースでも設置しやすい引き戸タイプも豊富になり、デザイン性や使い勝手を高めた商品も多くみられます。

門扉の素材には、アルミ形材やアルミ鋳物、樹脂などがありますが、一般的なのは、錆や腐食に強く耐久性に優れるアルミ形材。ある程度のプライバシーを確保でき、閉鎖的になりすぎない格子やスリットなどシンプルなデザイン、ナチュラルな風合いの木調タイプなども多くみられます。

■フェンス  門扉とシリーズのタイプも。シンプルなデザインが主流
敷地の周囲に設置するフェンスの素材には、門扉同様、アルミ形材やアルミ鋳物、樹脂など。主流は、耐久性に優れ、比較的手ごろな価格のアルミ形材です。門扉と同じデザインシリーズのタイプも多くみられ、プランニングする際は一緒に検討することが多いでしょう。

デザインは、ナチュラルな木調のタイプ、通風や採光に配慮したタイプ、不審者が侵入しても隠れる死角をつくらないような形状のものなどがみられます。

■機能門柱  ポストや照明、表札をひとつにまとめ、機能的に
表札、インターホン、ポストを備えた幅広タイプの重厚感のある機能ポール。undefined[ルシアス ウォール02型]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

表札、インターホン、ポストを備えた幅広タイプの重厚感のある機能ポール。 [ルシアス ウォール02型]  YKK AP 

メーカーの建材商品としての門柱には、豊富なバリエーションが揃っていますが、最近多くみられるのは、門まわりに必要なアイテムを組み込んだ機能門柱。機能ポールやエントランスポール、ファンクションユニットなど、さまざまな名称で呼ばれているものです。

一般的に組み込まれているのは、表札(サイン・ネームプレート)、ポスト、ドアホン(インターホン)、照明など。電気自動車の充電コンセントや宅配ボックス、フラワーハンガー、装飾部材、ベンチなどを組み込むことができるタイプもみられます。

機能門柱の本体(柱部分)の主な素材は、アルミ形材やアルミ鋳物、樹脂など。部分的にステンレスやガラス、樹脂など異なる素材を取り入れ、デザイン的に特徴を持たせたものもみられます。シンプルですっきりとしたタイプ、ナチュラルな風合いを持たせた素材を取り入れたものなどが人気で、門扉やフェンス、カーポートなどと同じデザインシリーズもみられます。

■ポスト  スタイルもさまざま。デザイン性、防犯性もアップ

ポストのスタイルは、門柱や塀、外壁などに埋め込むタイプや据え置くタイプ、ポールなどに取り付けるタイプや壁掛けタイプなど。素材は、ステンレスやアルミ、ガルバリウム鋼板などさまざまあり、デザインバリエーションも豊富です。

選ぶ際には、門まわりや玄関まわりのプランと同時に検討すること。投函口のサイズや本体のサイズにも注意を。個人情報を盗まれないように防犯面、施錠方法なども配慮したいポイントでしょう。

■カーポート・カーゲート  車の出し入れがしやすいタイプ、強風や積雪にも配慮

カーポートは、本体(柱・梁)と屋根材などで構成されたもの。1台用だけでなく2~3台用、自転車なども置くことができるタイプなども揃っています。屋根の支持の仕方の違いによって、片側支持(片流れ)タイプと両側支持タイプ、特殊な構造とすることで、後方(背面)だけに柱を設けたスタイルなどもみられます。いずれも車の出し入れがしやすい工夫が施されています。屋根の素材は、ポリカーボネートやFRP、スチール折板などですが、多くみられるのはポリカーボネートでしょう。

デザインは、シンプルでモダンな傾向がみられ、門扉やフェンスとトータルにコーディネートができたり、狭小地や変形敷地に設置しやすいカーポートなども。最近では、雪や風に対して高い性能を持つタイプも揃っています。

また、駐車スペースの出入り口に設けるカーゲートも合わせて選ぶことが必要な場合も。シャッタータイプ、跳ね上げタイプ、引き戸タイプ、伸縮・折れ戸タイプ、伸縮・アコーディオンタイプなどがあります。敷地プランはもちろん、操作性やデザイン性、防犯性など、優先順位を明確にして選ぶことが大切でしょう。

■ウッドデッキ  樹脂素材の商品が充実。さまざまなプランに対応可能
ウッドデッキとは、木材でつくられた甲板のこと。一般的には、天然木材を使用したものを指しますが、エクステリア建材としては、木粉と樹脂を混ぜるなどした人工的なデッキが主流です。

樹脂製のデッキは、メーカーによって、人工木材や合成木材、樹脂木など名称はさまざま。多くは、樹脂と木粉などを混ぜ合わせ、押し出し成型した建材です。商品によって素材の構成は異なりますが、一般的に、耐水性に優れることはもちろん、腐りにくく、シロアリなどにも強いため、耐久性も期待できます。また、経年変化による色落ちがほとんど起きず、美しさを保つことも可能でしょう。

最近では、リアルな木目の模様や溝などを表現したものもみられるようになり、カラーバリエーションも豊富。サイズはもちろん曲線の加工など、好みのスタイルを実現することができる商品もみられます。

■テラス屋根  シンプルなデザインやナチュラルな木調タイプも
undefinedさまざまな外観デザインにマッチする、木組みの趣を持つデザインが特徴。[木調テラス屋根undefinedサザンテラス]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

さまざまな外観デザインにマッチする、木組みの趣を持つデザインが特徴。[木調テラス屋根 サザンテラス]  YKK AP

メーカーのテラス屋根商品は、基本的には柱と屋根材で構成され、建物本体の外壁に固定するタイプと柱だけで支える独立(自立)タイプがあります。

屋根の形状は、平面のフラットなタイプとカーブを持たせたりアール型のタイプなど。主な材質はアルミ形材、ナチュラルな木調のタイプもみられます。屋根は衝撃に強く、光をほどよくカットするポリカーボネートが一般的です。最近では、耐雪性や耐風性を高める工夫を施した商品も多くみられるようになりました。

■サンルーム  居心地を追求したタイプと洗濯物干しなどの家事スペースタイプも 
サンルームとは、屋根や壁、扉などをガラス張りにして、光を多く取り入れることができるようにした部屋のこと。日本で多くみられるのは、リビングなどにつなげて設置するスタイルでしょう。メーカー商品は、サンルームやガーデンルーム、囲いスペースなどとも呼ばれるものがあり、デッキやテラスと組み合わせることができるものが多くみられます。

商品的には、居室のように用いることを前提とした居心地の良さを追求したタイプのほかに、洗濯物干場やアウトドア用品の収納スペースなど、家事効率を高める空間としたタイプも。床材や扉、天井材など、バリエーションも豊富に揃っているので、目的やデザインに合わせて選ぶことができるでしょう。

■オーニング・シェード  省エネルギ―効果を高める注目アイテムに
オーニング(awning)とは、「日除け」「雨よけ」「ひさし」などのこと。巻き取りパイプに布(キャンバス)を取り付け、日光を調整するので、オープンカフェのような半戸外の雰囲気を味わうことができるものです。手動で動かすタイプだけでなく、電動タイプ、手動電動併用などもあり、太陽光に反応して自動的に開閉をするセンサーや強風時に自動で収納するセンサー付きの商品もみられます。

また、オーニングと同様に生地を使用するなどした、外付のスクリーン(シェード)商品も。デッキやテラスの床まで降ろし設置するタイプ、2階のバルコニーやパーゴラなどに設けることができるタイプなどがあり、簾(すだれ)やよしずのような効果を得ることができるでしょう。

シェードやオーニングを設置するメリットは、直射日光が部屋の中に入らないため、室内の温度上昇を抑え、エアコン効率が高まり、省エネにつながるということ。最近では、日差しの強い窓辺に設置するケースも増えてきています。

建物本体と同時に検討を。ショールームを上手に活用して

新築の場合、エクステリアのプランニングはどうしても後回しになりがちですが、できる限り建物本体のプランニングと同時に検討すること。エクステリア建材は、各メーカーに多種多様な商品が豊富に揃っているので、使い勝手はもちろん、外観デザインに適したアイテムを取り入れることができるでしょう。

また、エクステリアのショールームはあまり数は多くはありませんが、カタログではわからない大きさや色、素材などを確認することができるので、ぜひ活用を。多くの商品の中から、新商品やおすすめ商品などが展示されているので、最新の機能やデザインを知ることが可能です。


【関連記事】

匿名で優良会社にリフォーム相談!

ホームプロでリフォーム会社を探す

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます