エクステリア/門扉・門柱・フェンス

フェンスの種類と特徴、選び方のポイント

道路や隣地との境界に設置する塀やフェンス。ここでは、建材商品であるフェンスの種類と特徴、選び方のポイントをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

境界を明確にし、侵入者を防ぐフェンス

敷地条件や周辺環境、建物本体のプランによって、フェンスを設ける目的は異なりますが、一般的な住まいに設置されるフェンスには、道路や隣地との敷地境界を明確にすること、外部からの侵入者を防ぐこと、視線を遮りプライバシーを確保することなどが求められるでしょう。もちろん、外まわりアイテムのひとつとして、住まいのイメージを左右するので、デザイン面の配慮も必要です。

プランニングの際には、必要な機能、こだわりたい部分の優先順位を明確にすることが基本。オリジナルで造作することもできますが、エクステリア―メーカーからは、豊富な商品が多く揃っており、門扉やカーポートなどと、トータルでコーディネートすることができるでしょう。

横格子のデザインが建物本体との一体感を生み出す。 [ルシアス スクリーンフェンス S05型 横板格子+細横格子 T200 Z9/H2]undefinedYKK APhttp://www.ykkap.co.jp/

横格子のデザインが建物本体との一体感を生み出す。 [ルシアス スクリーンフェンス S05型 横板格子+細横格子 T200 Z9/H2] YKK AP


素材の種類と特徴  

エクステリアメーカーのフェンス商品には、ざまさまな素材の商品が提案されていますが、住宅用フェンスとして多く用いられているのは、耐久性に優れ、錆や腐食に強いアルミニウム。成形の方法によって「形材」と「鋳物」の2種類に分類することができます。

■アルミ形材
軽量で耐久性に優れるアルミ形材は、一般的な住宅のフェンスとして多くみられるもの。商品バリエーションが豊富で、比較的手ごろな価格なのも魅力でしょう。シンプルでモダンなデザインが多く揃い、異素材との組み合わせるなど、個性的なデザインの商品も提案されています。

■アルミ鋳物
アルミ鋳物は、複雑な形や模様を生み出すことができるのが特徴。商品としては、曲線を用いた装飾性の高いデザインが多くみられますが、最近では、すっきりとしたシンプルなデザインも増えてきています。価格的には形材よりも高めのものが多いようです。

■樹脂系
ポリスチレンなどの樹脂系素材のもの。耐候性もあり、メンテナンスも楽なのも特徴。木粉や再生木などを用いた天然木のようなタイプや竹を模した商品などもあります。

■スチール
強度に優れ加工性に富み価格も安価。メッシュタイプなど、開放感があり植栽と馴染むデザインなどもみられます。

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ゆるやかなカーブを持つデザインのアルミ鋳物は、住まいにあたたかみを感じさせる。 [ラフィーネ アイアンブラック]  LIXIL


デザイン(形状)の種類と特徴 

最近のフェンスのデザイン傾向は、シンプルでモダンな雰囲気を持つタイプ。洋風でも和風の外観でも馴染みやすい、格子やメッシュなどのすっきりしたデザインが好まれているようです。

■格子タイプ
縦格子や横格子、井桁格子などバリエーションも豊富。格子やすきまの幅によって、雰囲気だけでなくプライバシーの確保にも影響します。斜めの格子はラティスフェンスと呼ばれることもあります。

■ルーバータイプ

斜めに角度をつけたルーバー(羽板)で、視線を遮りつつ、風を取り込むことができるデザインのもの。

■メッシュタイプ
軽やかなデザインなので、境界を明確にすることを目的に設置されることも多いタイプ。生垣と組み合わせしやすいデザインです。

■パネルタイプ
ポリカーボネートなどの半透明のパネルを用いたもの。視線を遮りつつ光を取り込むことができます。

■竹垣タイプ
樹脂などで竹の風情を再現し、耐久性を高めたタイプ。和風住宅にプランニングされるケースが多くみられます。

設置する目的に合わせたデザインを選ぶ

フェンスを選ぶ際に大切なポイントは、必要な機能、こだわりたい部分の優先順位を明確にすること。そのためには、隣地や道路の状況、人通りや視線、隣家の窓の位置などをしっかりと確認することが大切でしょう。

敷地境界を明確にすることを優先させたすっきりとしたデザインの形材フェンス。[ルシアス フェンスLite02型undefinedT80]undefinedYKK APundefined http://www.ykkap.co.jp/

敷地境界を明確にすることを優先させたすっきりとしたデザインの形材フェンス。[ルシアス フェンスLite02型 T80] YKK AP


たとえば、「往来の激しい道路沿いなのでプライバシーを守りたい」というのであれば、ある程度の高さのあるものや目隠し機能のあるデザインを。「境界は明確にしたいけれど、開放感のある雰囲気にしたい」のであれば、低めのタイプや桟の少ないもの、メッシュタイプなどが向いているでしょう。防犯面を強化したいのであれば、乗り越えにくい高さのものや剣先状のデザインのものを。不審者が侵入しても隠れる死角をつくらないような、見通しのよい形状のものがいいでしょう。

また、建物形状や間取りによっては、全て同じフェンスではなく、異なるものを組み合わせてもいいでしょう。たとえば、浴室や洗面、トイレなどの前には、目隠し機能のあるタイプを設置したり、くつろぎの場である庭のデッキまわりは高めのフェンスで囲むなど、条件に適したプランニングを。道路側はデザイン性の高いものを、裏庭は比較的に安価なものを、というように予算に合わせたプランニングも考えられます。

門扉やカーポートなど同じデザインのシリーズ商品も

すっきりとしたデザインの外観に馴染むアルミ形材のフェンス。[プレスタundefined門扉:TS型/フェンス:2型undefinedナチュラルシルバーF]undefinedLIXILundefinedhttp://www.lixil.co.jp/

すっきりとしたデザインの外観に馴染むアルミ形材のフェンス。[プレスタ 門扉:TS型/フェンス:2型 ナチュラルシルバーF] LIXIL


建材商品としてのフェンスは、門扉やカーポートなどと、シリーズとなっているタイプも多くみられます。敷地や条件に合わせて、さまざまなプランが可能で、外まわりをトータルにコーディネートすることができるでしょう。

また、最近の傾向は、プライバシーを確保しつつ風や光を取り入れることができるタイプが多くみられること。ルーバー部分に工夫を施して、風や光を取り入れることができる商品などもあります。その他、外気の熱気を和らげる機能を持ったものやグリーンを這わせることなどができる商品など、エコロジーに配慮した商品もみられるようになりました。

外まわり全体のデザインに配慮して。ショールームで確認を

フェンスを選ぶ際には、建物本体や庭との調和にも配慮しておきたいもの。たとえば、建物本体の窓や玄関ドア、ベランダ手すりなどと色味やデザインを揃えることで、統一感も生まれるでしょう。色に変化を持たせる方法もありますが、計画的に行わないとまとまり感のないエクステリアになってしまう場合もあるので注意が必要です。

また、外からだけでなく、住まいの中からのフェンスの見え方にも配慮を。たとえば、リビングの前に素敵な庭をつくっても、その向こうに圧迫感のあるフェンスがあっては、心地よさも半減してしまうかもしれません。室内からどのように見えるのか、イメージしておくことも大切でしょう。

木の風合いを生かした素材が住まいにナチュラルな雰囲気をプラスする。 [ガーデン倶楽部 リウッド シリーズ リウッド フェンス1型 井桁格子 T80 FD] YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

木の風合いを生かした素材が住まいにナチュラルな雰囲気をプラスする。 [ガーデン倶楽部 リウッド シリーズ リウッド フェンス1型 井桁格子 T80 FD] YKK AP


住まいづくりの中では、どうしても建物本体に気をとられ、エクステリアは後まわしになりがちです。しかし、建物本体だけでなく、エクステリアやガーデンプランも同時に検討することで、まとまりのある佇まいの住まいが完成するもの。フェンスだけでなくエクステリア全体をイメージするためにも、できる限り、ショールームで実物を確認すること。エクステリアのショールームは数多くはありませんが、近くにある場合は積極的に活用することをおすすめします。


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