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夫はお墓派で妻は散骨派!我が家のお墓はどうする?

もうすぐお彼岸……。皆さんは、お墓参りに行かれますか? お彼岸にお墓参りをするのは日本特有の文化だそうですが、お参りをした際などに話題に出るのが「このお墓をどうやって守り続けようか」ということと「わが家のお墓はどうしようか?」ということ。今回は、お墓にかかる費用やお墓の選び方について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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半数以上の人がお墓参り

今年もみんなでお墓参りに来られてよかったね!

今年もみんなでお墓参りに来られてよかったね!

お彼岸の時期は、お参りの花束を持って電車に乗っている人を見かけたり、高速道路の渋滞情報などを耳にしたりします。楽天リサーチ株式会社の「お墓参りに関する調査」によると、「昨年1回以上お墓参りをした人」は、全体の65%で、「お盆にお墓参りをした人」も34%にのぼるそうです。

年代が高くなるほど、お墓参り率は高くなりますが、20代、30代でも50%以上の方がお墓参りをしたとのことでした。

自宅の近くにお墓がある、という方は、まめにお参りができますが、遠方にあるという場合は、なかなかお参りできない、という方も多いのではないでしょうか。「お墓が遠すぎてなかなかお参りできない」という人のために、お墓参りの代行サービスがあると聞いたことがありますが、最近よく耳にするのが「先祖代々のお墓でなく、自分たちでお墓を建てる」という方や「お墓の引っ越しをする」などです。

お墓を選ぶポイントは?

近所のお寺にお墓を建てるほか、宗派を問わない霊園墓地などもあります。都立の霊園など公営の墓地は価格も安く、抽選倍率が高いことで話題になりますね。鎌倉新書 「いいお墓.com第5回お墓の消費者全国実態調査」によると、霊園墓地を購入する際に、決め手となったポイントは、

  1. 交通・アクセス
  2. 価格・予算
  3. 園内の雰囲気

だそうです。ガイド平野が住んでいる東京多摩地域にも、広い霊園がいくつかありますが、最寄駅から霊園行きのバスがあったり、車で行くにも遠すぎない場所の霊園は、人気が高いようです。この他、「施設/設備」や「管理状況」などを挙げる方もいました。確かに、お墓参りに行った際、その墓地全体の整備がきちんとされていると、ほっとします。

お墓の価格は、墓石代だけではない?

お盆やお彼岸の季節になると、墓石の広告なども多く見かけますが、お墓の価格は、墓石代だけではない、ということをご存知でしょうか?永代使用料といって、お墓を建てる区画分の土地を借りる代金が、別途必要になります。

前出の調査によると、墓石を購入した人の平均価格は、全国で142.17万円、永代使用料の平均は、全国で69.15万円、合計すると211.32万円になります。お墓にかかる費用は、地域によっても差があるので、地域別の平均価格を以下の表にまとめてみました。首都圏は、全体的に高い傾向がありますが、京都府や福岡県も高めになっています。

鎌倉新書「いいお墓.comundefined第5回お墓の消費者全国実態調査」(2013年)をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)

鎌倉新書「いいお墓.com 第5回お墓の消費者全国実態調査」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)


一方、平均価格は、高額の人が平均を押し上げていますので、金額別の分布を以下のグラフでご紹介します。最も割合が高いのは、「150万円以上200万円未満」:29%、次いで「100万円以上150万円未満」:23%となっていて、60%以上の人が200万円未満となっています。

鎌倉新書「いいお墓.comundefined第5回お墓の消費者全国実態調査」(2013年)をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)

鎌倉新書「いいお墓.com 第5回お墓の消費者全国実態調査」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)


購入した区画面積はどれくらい?

墓地の区画面積は、全国平均で1.89平方メートルとのこと。普段、マンションなどの広さで使い慣れている単位・平方メートルですが、桁が小さいとちょっとイメージがつきにくい印象があります。 畳の大きさは、地域によって異なりますが、首都圏の不動産広告では、1畳を1.62平方メートルとしているようですので、畳1枚分くらいの広さとイメージするとよさそうです。

区画面積も地域によって幅がありますが、前出の調査によると、「1平方メートル~2平方メートル未満」:37.0%と最も多く、次いで「1平方メートル未満」:24.8%と、60%以上の人が2平方メートル未満とのことでした。

お墓の形態も進化中

お墓の形も洋型を選ぶ人が増えている!

お墓の形も洋型を選ぶ人が増えている!

日本のお墓といえば、昔からよく見る和型がほとんどでしたが、最近は、さまざまな形態のお墓が登場しています。プレート式などの洋型のお墓、故人の趣味や生前の活動をイメージしたデザイン墓の他、マンションのような納骨堂がビル風のお寺の中にあるのを見たこともあります。

実際は、まだまだ和型が多いのかな?と勝手にイメージしていたのですが、なんと半数近い48%の人が洋型を選び、和型の方が31%と少ないことが分かりました。ちなみに、納骨堂は15%、デザイン墓は6%とのことです。(鎌倉新書「いいお墓.com第5回お墓の消費者全国実態調査」より)

妻は「散骨派」「永代供養墓派」が夫の2倍!?

さて、お墓といえば「○○家の墓」と掘られているように、家を単位として建てることがほとんどだと思います。日本の場合、その家の長男が先祖代々のお墓に入り、他の兄弟は別のお墓に入る、というケースが多いと伺います。けれども、近年は少子化等の影響もあり、例えば散骨や樹木葬など、お墓に対する考え方も変化しているようです。

楽天リサーチ株式会社「お墓参りに関する調査」によると、希望する埋葬方法について「まったく考えていない/決めていない」という人が、全体で3人に1人(30%近く)いる一方、「先祖代々のお墓」と希望する人も、全体で29.5%と、ほぼ3人に1人とのことでした。

「自分や家族等が新しく用意するお墓」を希望する人(12.4%)よりも、「散骨」を希望する人(16.6%)の方が多い、というのは、意外でした。新しくお墓を用意しても、「将来、引き続き管理する子どもがいない」「子どもや孫たちに面倒をかけたくない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

楽天リサーチ株式会社「お墓参りに関する調査」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)

楽天リサーチ株式会社「お墓参りに関する調査」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)


気になったのは、男性と女性とで、希望する埋葬方法が異なるということです。男性は、「先祖代々のお墓」を希望する人が36.6%いるのに対して、女性は22.4%と10%以上低くなっています。一方、女性は、「永代供養墓」を14.0%、「散骨」を22.0%の人が希望するのに対して、男性は、「永代供養墓」:7.4%、「散骨」:11.2%と、それぞれ女性の約半分でした。

女性は結婚して名字が変わったりなどするので、「家」やお墓にこだわらない方も多かったり、後々の管理で子どもなどに迷惑をかけたくない、と考える人が多いのかもしれません。

「ここに散骨の記事が載ってるよ。私は散骨がいいな……」「え!? そうなの? 初めて聞いたよ……」

「ここに散骨の記事が載ってるよ。私は散骨がいいな……」「え!? そうなの? 初めて聞いたよ……」

コラム「お葬式にかける費用も夫婦で考えてみよう!」で、お葬式にかかる費用について紹介しましたが、これからお墓を用意する予定の方は、お葬式代と同じくらい費用がかかる可能性もあります。

また、お墓の引っ越し等をする場合も、手続きに時間がかかったり離檀料などの費用がかかるようですので、事前に情報収集をされることをお勧めします。今度お墓参りをする際などに、自分たちはどのようなお墓を希望するのか、夫婦で話す機会も作ってみましょう。

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