洗面台の交換リフォーム、高さや幅が合わない失敗も
洗面台の交換リフォームは、キッチンや浴室に比べて後まわしにされやすく、予算も圧縮気味のため、安売りのものを適当に選んだら、高さや幅が合わずに失敗したというケースも少なくありません。洗面所は、朝は顔を洗い、お化粧をして、洗濯機があれば家事室として、お風呂場の隣りにあれば脱衣室として、さまざまな目的で使う多機能ルームです。毎日の家族全員の暮らしと直結しているため、洗面台の選び方ひとつで、毎朝の快適度はもちろん、家事の効率も変わってきます。
今回は、後悔の声を聞くことが多い、高さ、幅、ボウルの形状、水洗金具の使い勝手、顔を洗うと水はねがひどいなど、実際にあった4つの失敗事例をご紹介しながら、洗面台の交換リフォームの際の上手な選び方をご紹介します。
<目次>
- 洗面台の高さが合わない、腰が辛い、床が水浸しに
- 洗面台の幅が少し小さく、間口にスキマができる
- 顔を洗うと水はねがひどい、周囲がびしゃびしゃに
- バケツに水が汲みにくい、ボウルの掃除がしにくい
- 洗面台を上手に選べば、暮らしは格段に便利に
高さが合わない、腰が辛い、床が水浸しに
〈洗面台交換の失敗事例-1〉
洗面台の交換リフォームでの失敗事例1つめは、高さが合わないというものです。低いと、顔を洗うのに腰を深くかがめる必要があり、腰への負担が大きくなります。だからと言って、高すぎると顔を洗った時に水がヒジの先まで伝わって垂れ、床を濡らしてしまいます。ショウルームで高さを検討する際、顔を洗う動作をすると洗面台が高い方が楽に感じ、高めを選ぶ傾向にありますが、実際に水を使った時に、腕に水の伝わりが無いか、肘の角度を確認しておくことが大切です。
高さ75cm、80cm、85cmのラインナップがある洗面化粧台。ショールームで顔を洗うしぐさをして使いやすい高さを確認して(サクア/TOTO)
洗面台の高さを割り出す方法は色々ありますが、ガイドYuuが考えるちょうどいい高さは「身長÷2」cm。つまり160cmなら80cm、175cmの人には87cm程度です。特に腰痛を抱えている人は、ちょっと高めを選ぶと楽に使えます。床への水垂れが気になる場合は、顔をしっかり伏せることができるよう、大型のボウルが付いたタイプに交換リフォームすることで、軽減することができます。
しかし既製品で多い標準的な高さは、75cm~80cmとちょっと低め。一般的な洗面台は高さのバリエーションが少ないのが悩みですが、最近は85cmほどの高めの機種も増えています。毎日使うものですから、交換の際には高さの確認を忘れずにしておきましょう。
幅が少し小さく、間口にスキマができる
〈洗面台交換の失敗事例-2〉
洗面台の交換での失敗事例2つめは、間口のムダです。ひと昔前の1坪の洗面所でよく見られたのは、幅75cmの洗面台+洗濯機置き場というプランでした。これは二層式洗濯機が置けるよう考えられていたもので、全自動洗濯機を置くとなると結構大きなスキマができてしまいます。そのレイアウトのまま同サイズの洗面台に交換リフォームをしてしまえば、後になって「もう1サイズ大きな洗面台が入ったのに!」という後悔をすることも。
1坪の洗面所の場合、木造住宅なら壁の内法寸法は約1m67cmです。今売れ筋の洗濯機のサイズは、ななめドラム式で幅64cm程度、縦型全自動で幅60cm程度ですから、1m67cmの間に洗濯機と幅90cmの洗面台を並べて置くことができます。
間口165cmの中に幅90cmの洗面台とななめドラム式洗濯機を組み合わせた例(ウツクシーズ/パナソニック)
サイズが大きな洗面台に交換すれば、ボウルや収納にゆとりが生まれます。幅75cmと90cmの洗面台の差は15cmですが、収納量で考えればかなりの差になります。洗面所は、ただでさえ収納不足に悩む場所ですから、スキマを作らないよう、交換リフォームの際には洗濯機パンとの兼ね合いを確認し、念入りな寸法計画を立てましょう。
顔を洗うと水はねがひどい、周囲がびしゃびしゃに
〈洗面台交換の失敗事例-3〉
失敗事例3つめは、顔を洗ったら周囲が水はねでびしゃびしゃになってしまうというものです。理由はボウルのサイズにあります。ボウルとひと口に言っても、顔を洗うのに適した洗顔用の「洗面器」と、手洗い用の「手洗い器」があり、それぞれ必要なサイズが違います。寝室脇に設けられた小さな手洗い器。顔を洗うには小さいが手を洗うならこれくらいでちょうどいい(モデルハウスに学ぶ! セカンド洗面所リフォームより)
顔を洗うために使うのであれば、最低でも幅50cm、奥行き45cm以上のサイズが必要です。一般的な洗面化粧台セットのボウルは大き目にできていますが、注意したいのが寝室の脇に設置するような、おしゃれデザインの洗面器です。顔を洗うにはサイズが小さく浅過ぎるので、周囲が水はねでびしょびしょになってしまうことがあります。
ホテルの3点式ユニットバスの洗面器で顔を洗うと周囲に水が垂れるという声を聞くことがありますが、たいていはボウルが小さいことによるものです。ボウルが小さいと顔をシッカリ伏せることができないので、顔の位置が高くなり、また周囲に水が飛びやすい状況にあるため、床がびしょびしょになってしまうことが少なくないのです。
毎朝、顔を洗う洗面台のボウルは大きめを意識して選べば大丈夫です。洗面器と手洗い器を区別してしっかり選ぶようにしましょう。
バケツに水が汲みにくい、ボウルの掃除がしにくい
〈洗面台交換の失敗事例-4〉
洗面台交換リフォーム、最後の失敗事例は、洗面所でバケツに水を汲もうとしたら、水栓金具に引っかかって上手く水を入れることができないというものです。これは水栓金具の選び方で解決できます。壁付けで引き出せるシャワー水栓。水栓まわりの掃除もしやすい(ピアラ/LIXIL)
洗面所は、セーターを手洗いしたり、運動靴を洗ったり、バケツや花瓶に水を汲むなど、家事で使うことが多い場所です。固定式の水栓金具より、引き出せるタイプのシャワー水栓を選んでおくと、子どもの運動靴なども洗いやすくなり、泥水を流した後のボウルの内側の掃除も楽にできるようになります。
水栓金具が壁付けになっていて、引き出せるようになったタイプもあります。金具の根元が汚れにくく、掃除が楽にできるようになります。
洗面台を上手に選べば、暮らしは格段に便利に
洗面所は地味な場所ですが、ちょっとした工夫で、毎日の暮らしがぐんと快適に変わります。まずは高さと幅をチェックして、ボウルと水栓の形状を確認しましょう。更に洗面所を便利にする収納計画や、照明や床材、壁材の選び方など、リフォームで押さえておきたいポイントは下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。洗面所のユーティリティ化は、更に家事がラクになります。部屋干しやアイロン掛けを楽にしたり、キッチンと繋いで炊事と洗濯の連携をよくしたりするアイデアは下記でご紹介しています。
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