照明・LED/照明器具・間接照明の基礎知識

照明器具も「3Dプリンター」で作成する時代!?

3Dプリンターが注目されています。安価なものは数万円~十数万円で購入できるため、もはや身近な機器と言えます。しかし3Dデータの作成が難しいため簡単に立体造形が出来るわけではありません。また一つのものを作るまでに時間がかかります。そのような中、3Dプリンターで制作された照明器具(シェードの実が3D )が発表されました。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

3Dプリンターとは?

大型家電販売店の売り場で、3Dプリンターのデモンストレーションを見たことがあります。多くの人がプリンターの前を囲んで興味深く見ていました。

「3Dプリンター」という用語はメディアなどでもたびたび登場するので、その認知度は高くなっていると思います。このプリンター、ここ数年に開発されたものかと思いきや、初期のものは1980年代に遡るそうで、ちょっと驚きです。10年ほど前は数百万円もしていたそうですが、今日では安いもので数万円台から数十万円で購入できます。

いま多くの人が使っているプリンターは紙に印刷する2次元(2D)です。それに対して3Dプリンターは3DCAD(CADはキャドと言ってコンピュータで設計すること)、3DCG(CGはコンピューターシミュレーションといってコンピュータを使用して画像を処理したり、作ったりすること)を基に立体を造形する機器になります。

確かに、売価的に言えば、もはや身近な商品と言えますが、3Dデータの作成は難しいため、私たちが日常的に使っている2Dプリンター操作のようにはいきません。

立体造形ができる仕組みは機種によって若干異なるようですが、基本イメージは病院の検査に使われるCTスキャンやMRIのように、断面形状を積層していくことで立体が作成されていきます。積層材は様々ですが、おもに樹脂や石膏などの粉末が使われています。

3Dプリンターの用途は、いまのところ作れる大きさにも限度があるため(市販の数十万円以上するもので20cm立方前後の大きさ)、実際にものを作る前に、それぞれの部品をサイズダウンして作り、それを組み立ててデザインや機能の検証を行うことが多いようです。

面白い例では人の顔の立体写真を撮って、3Dプリンターで顔を縮小した形で出力し、あらかじめ幾つかある髪型と衣装を選んで3Dフィギュアを作るサービスもあります。

次のページでは「3Dプリンターで制作された照明器具」についてご紹介します。

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