住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

広く感じる家の秘密「モジュール」とは?

同じように間仕切りの少ない間取りにしたり、空間をつなげたLDKにしても、他の住宅に比べて広く見える家とそうでない家があります。そのカギのひとつはモジュールにあります。一体どんなことなのか、説明しましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

間仕切りが少なく、部屋と部屋が連続するような間取りの住宅は、他の住宅に比べて広く感じます。でも、実際の面積を比較してみると他の住宅とそれほど変わらないことも。実は広く見えるカギのひとつとしてモジュールが挙げられます。今回は、モジュールについて説明していきましょう。

広さの理由はモジュールにある

同じような延床面積だったり、似たような間取りなのに他の住宅より広く見えると言われる家は、大抵の場合、モジュールに秘密があります。

モジュールとは、基準寸法のこと。一般に建物などを建築するとき、材料の長さや幅などはモジュールがもとになっており、柱と柱の間隔、空間の広さなどはモジュールの倍数を基本につくられます。

廊下や出入り口はモジュールの影響を受けやすい場所だと言えるでしょう

廊下や出入り口はモジュールの影響を受けやすい場所だと言えるでしょう

日本の住宅の建築現場でよく見かける代表的なモジュールは、尺モジュール、メーターモジュール、インチ・フィートモジュールの3種類。それぞれのモジュールの数値は以下の通りです。
・尺モジュール        910mm
・メーターモジュール     100mm
・インチ・フィートモジュール 1218mm

広く見える住宅の多くは、インチ・フィートモジュールを採用していることが多いので、ドアの幅が広かったり、階段がゆったりと感じられ、他の住宅より広々とした印象になるのです。

モジュールが違うとどうして広くなる?

上の3種類のモジュールを見て、インチ・フィートモジュールの数値が一番大きいのは明らかですが、このモジュールの数値が違うと、なぜ、空間の広さが変わってくるのでしょうか。

廊下を例にとって説明しましょう。

モジュールは、柱や壁をつくり、部屋をつくりあげていくときの基準となります。尺モジュールであれば、910mmを基準とした材料でつくり上げるわけですから、廊下の幅は壁の芯々(壁の中心からもう一方の壁の中心までの間隔)で910mm。実際には、壁の下地をつくって壁紙など仕上げをするので、廊下として使える有効幅はもっと小さくなります。

同様にメーターモジュールの場合の廊下は壁の芯々で100mm、インチ・フィートモジュールは1218mm。壁の仕上げが同じだとすると、家の廊下の幅が一番広いのはインチ・フィートモジュールの家だということがわかっていただけるでしょう。

部屋をつくるときも、廊下と同様のことがいえるので、同じような間取りを採用したとしても、インチ・フィートモジュールの住宅のほうが広くなる場合が多いのです。

次のページでは、インチ・フィートモジュールを選ぶときの注意点について見ていきましょう。
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