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ジャニーズ事務所が舞台に拘る意外な理由

ドラマ、バラエティ、CMとテレビでその姿を見掛けない日はないジャニーズ事務所のメンバー達。実は事務所の創立から今日まで”舞台”と密接な関係がある事をご存知でしょうか。今回はそのルーツに迫りつつ、彼らが出演する舞台の傾向をまとめてみました。

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

テレビで姿を見掛けない日はないジャニーズ事務所のメンバー達。ドラマ、バラエティ、CMと大活躍の彼らですが、実はテレビ出演やコンサート以外にも事務所が大切にしている活動の場があるのをご存知でしょうか。

ウエストサイド物語が事務所設立の原動力

ジャニーズ事務所のトップは言わずと知れたジャニー喜多川氏。現在でも精力的にコンサートやショーのプロデュース、演出に関わっている氏のルーツは……「舞台」。終戦後、ロサンゼルスの高校に通いながら有名劇場でアルバイトをしていた氏は日本で暮らすようになった1961年にミュージカル映画『ウエストサイド物語』を観て感動し、当時コーチをしていた少年野球チームから4人を選抜して初代「ジャニーズ」を結成します。ジャニーズ事務所はこの4人=初代・ジャニーズを核に1962年設立。4人は何度も映画館に通い『ウエストサイド物語』の振りを真似ては「いつかこの作品をやってみたい!」と熱望していたそうです。ちなみにこの初代・ジャニーズのメンバーの1人が現在劇団四季に所属し、ミュージカル『リトルマーメイド』や『コーラスライン』等で活躍する飯野おさみさん。彼は後に四季の舞台で『ウエストサイド物語』のリフを演じています。

WSS

ジャニーズ事務所設立の1つの原動力『WEST SIDE STORY』


『PLAYZONE』が舞台制作の大きな転機に

こうしてジャニーズ事務所を設立したジャニー喜多川氏は1965年の石原慎太郎 作・演出作品『焔のカーブ』を皮切りにいくつもの舞台作品に積極的に関わって行きます。最初は4人の「ジャニーズ」でスタートした事務所も次第に規模を拡げていき、その後多くのスターを輩出していくのは皆さんご存知の通り。そんな中、ジャニーズ事務所の舞台制作においてある種の転機となったのは1986年から青山劇場をホームに上演された『PLAYZONE』ではないでしょうか。2008年まで少年隊主演で上演された同作は演劇やミュージカルの要素だけではなく、ショーの華やかさや出演者のキャラを活かしたトークもふんだんに盛り込まれており、コンサート会場に比べるとコンパクトな”劇場”で少年隊やジャニーズ・ファミリーの華やかな舞台を体感できるという事で毎公演超プレミアチケットとなりました。個人的にはこのスタイルが後に帝国劇場や新橋演舞場等の比較的大きな劇場で上演されるエンターテインメントショー『Endless SHOCK』や『滝沢演舞城』の礎になったと思っています。

青山劇場

PLAYZONEのホーム・青山劇場


2004年には『PLAYZONE』の企画の一環として、ジャニー喜多川氏が事務所を創設する大きなきっかけともなった『ウエストサイドストーリー』を少年隊の主演で上演。丁度この時期、同作を過去に上演してきた劇団四季や宝塚歌劇団から版権が離れていたことが氏の夢の実現に繋がったのですね。

さて、メディアで活躍するメンバーを多数抱えるジャニーズ事務所が「舞台」に拘るルーツを1960年代まで遡ってご紹介しましたが、現在も尚、彼らが様々な舞台に出演し続けるのは何故でしょうか。

次のページではジャニーズ事務所「舞台に関する3つの傾向」を分析!

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