テクノポップ/アーティストインタヴュー

カンアキトシ~硝子の半生記(3ページ目)

カンアキトシ(akitoshikan)さんに出会ったのは、ゲンズブールナイト2014。幼少期、バンドボーカリスト、ソロデビュー、傷心、休止、enjeuとして再スタート、しかし休止…僕も長くインタヴューをしていますが、彼女は、包み隠さず、いままでの人生、そして心情を語ってくれました。10月13日には、ゲンズブールナイト大阪で歌います。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

体温って温かくなる

ガイド:
オープニングの「体温」を聴いていて、あ、そうか、体温って、男女の関係性のひとつの尺度なんだと、なんだか開眼してしまいました(笑)。これは何か体温が自分で上がっていく実体験をもとにしたものなんですか?

カン:
いいことやときめく事があると人の体温って温かくなると思ったんです。後は何かの共感。当時ACOさんが「揺れる体温」ってリリースされた時はドキッとしましたね。同じ事考えている人がいるって。でも私の体温は揺れてはいませんでしたが(笑)。

DIVAブーム以降の疑問

ガイド:
タイトルトラックでもある「Always Be Your Love」などは、この時期あたりから脈々と続く、TOKYOクラブ系ソウルな感じですね。カンちゃんは、それ以前に活動も含めこのシーンをどのように見ていましたか?

カン:
DIVAブーム到来までは良かったんですが、その後から疑問に変わってゆきましたね。結局R&Bと言いながら歌謡曲になってゆく様が歯がゆかったりで、結局J-POP扱いがなんか嫌でしたね。当時DOUBLEさんが頑張っているのを見て、すごいなーと思いましたが、私が考えていた事はもうビックビートやハウスの方向だったので、それがなかなかレコード会社に伝わらず、苦労しましたね。

竹内まりやさんのカヴァー

ガイド:
続きマキシ・シングル『元気を出して』(1999年)では、竹内まりやさんのカヴァーという意外な展開。高野寛さんもギターで参加をされていますが、この曲を選んだ理由は?

元気を出して (amazon.co.jp)
genkiwodashite

元気を出して



 

カン:
竹内まりやさんの歌のうまさは尊敬なんです。そして彼女と山下達郎さんの楽曲の作り方が前衛的で、それに気づいていない人が多い事を思いました。なので、これはカヴァーしたい!!と思ったんです。山下達郎さんもそうですが、もう私たちの及ばないところで先を見据えた楽曲制作をやられている大先輩として尊敬をこめてこの曲を選びました。そうしたら、たまたまクラムボンのミト君と高野さんとご飯を食べる機会があって、是非一緒にやろう、という事になったんです。

 

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