テクノポップ/アーティストインタヴュー

カンアキトシ~硝子の半生記(2ページ目)

カンアキトシ(akitoshikan)さんに出会ったのは、ゲンズブールナイト2014。幼少期、バンドボーカリスト、ソロデビュー、傷心、休止、enjeuとして再スタート、しかし休止…僕も長くインタヴューをしていますが、彼女は、包み隠さず、いままでの人生、そして心情を語ってくれました。10月13日には、ゲンズブールナイト大阪で歌います。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

デモテープがきっかけで

ガイド:
1994年頃、Reggae Disco Rockersのゲスト・ヴォーカルをやっていた時期もあるんですよね。Reggae Disco Rockersとしてはまだ初期段階かと思いますが、どのような繋がりで? レゲエ自体にはそれほど詳しくありませんが、一時レゲエ歌謡やJ-POPのレゲエリミックスを調べていた時期があって、Reggae Disco Rockersは好きなグループです。特にラヴァーズ系。

カン:
すごいレアな事を知っていますね、ありがとうございます。鄭秀和さんがデモテープを聴いてくださって、高宮永徹さんを紹介してくださったのが始まりですね。

ガイド:
鄭秀和さんはTOWA TEIさんの弟ですね。高宮さんとはそしてどのように?

カン:
どちらかというと(高宮)永徹さんのLittle Big Beeがメインだったんですが、Reggae Disco Rockers の当時ボーカルだった方が歌えなくなった、という理由で、ほぼピンチヒッター的な感じで参加させて頂きました。今思うと、LITTLE TEMPOのHAKASEさんや、audio activeの西内さんら豪華なメンバーの中で歌わせて頂き、これは20年経った今だからこそ、ありがたみが分かって感謝です。ただ、当時は大変でした(汗)。

S-KENさんのところに連れて行かれて

ガイド:
蒼々たる人たちですね。「ロッカーズ」繋がり(笑)と言いましょうか、「東京ロッカーズ」の首謀者的存在、S-KENさんがアーティスト発掘のために製作していた『SOUP UP』(1996年)にも参加されていますね。これはLittle Big Beeのヴォーカルですか? クラムボンやLabLife(実は好きで記事も書いています)もこの辺りから出てきたんですよね。

カン:
はい、LIttle Big Beeが先なんです。で、永徹さんにS-KENさんのところに連れていかれて、いろいろお話しました。当時ボニー・ピンクさんもちょうど発掘されていた時期で、私の好きだったエスカレーターズやウルフルズを発掘した方と聞いて、光栄でした。クラムボンやLab Lifeはその後ですね。でも仲良くて兄妹みたいな感じで、みんなで花見したり、食事したりしてましたね。

奈良部匠平さんがプロデュース

ガイド:
1998年にマキシ・シングル『たえまなく愛は眠らない』で念願のソロデビューとなりました。カンちゃんのちょっとやるせないエモーショナルな(これが色気なのかな?)歌声が好きです。これはカンちゃんが作詞されていますが、デビュー曲として、この曲を選んだ理由は?

カン:

先ず、奈良部匠平さんがシングル前提として、楽曲を作ってくださいました。そこに歌詞を乗せるのが、当時の私の初めてのソロ仕事でした。S-KENさんに鍛えられましたが、言葉を紡ぐのには苦労しました。「人はみんな一筋縄では行かない人間関係や葛藤が沢山ある」と思ったのですが、それがゆっくりと昇華していく歌を歌いたくて選びました。

ガイド:

では、奈良部さんについてもう少し訊かせてください。奈良部さんとはどのように繋がってのですか?

カン:

奈良部さんとの出会いは、米米クラブのジェームス小野田さんミュージカル出演でした。ちょうどソロとしてのデビューも決まっていたので、奈良部さんにやって頂ける事になりました。

ガイド:

同年にリリースされたシングル曲を含んだ6曲入りミニ・アルバム『Always Be Your Love』では、全ての作詞はカンちゃん自身。作曲はカンちゃん加えて、プロデューサーでもある奈良部さん。奈良部さんは数々のシンガーのヒットメイカーでありつつも和太鼓によるエンターテイメントショーなども手がけて、幅広い活躍をされていますが、一緒に製作をされてどうでしたか?

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カン:
厳しかったですよ(笑)。流石、バークレー卒業生、メロディも難しいし、何度も泣きましたね。
そして、渡辺美里さんの編曲家。美里さんを良く知っている方が私の楽曲制作をしようとしてくださったのはもう運命かと思いました。いつか美里さんに会いたい、出来ればデュエットしたいくらいです。私、号泣するでしょうね。

 

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