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目まぐるしく変わる純資産総額トップの投資信託

2014年4月、約12年2ヵ月も純資産総額トップの座にあった「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」、愛称「グロソブ」がトップの座を「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」に明け渡したのですが、9月に再度トップの座が入れ代わりました。純資産総額が1兆円を超えるファンドは5本。それらの動向を交えて考察してみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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投資資金の流出入で明暗が分かれる

2014年9月2日、純資産総額トップの座を国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」から奪取したフィデリティ投信の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」が首位の座から陥落しました。トップに立ったのは新光投信の「新光US-REITオープン」、愛称「ゼウス」です。

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 トップに立ったのは新光投信の「新光US-REITオープン」


2014年7月末時点では、フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドと新光US-REITオープンの純資産総額の差は約495億円です。共に年初から投資資金は流入が続いていましたが、同年8月にフィデリィ・USハイ・イールド・ファンドは資金流出、新光US-REITオープンは資金流入と明暗が分かれたことにより純資産総額トップが交代したのだと考えられます。

ただし、9月2日時点の純資産総額は、新光US-REITオープンが1兆3180億円、フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドが1兆3174億円とわずか6億円に過ぎません。6億円の差であることから、翌9月3日には再びフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドがトップになりましたが、その差は約900万円です。純資産総額トップのデットヒートは続くようにも見えますが、他のファンドが虎視眈々とトップを見据えています。

純資産総額トップは再々交代かも

2014年9月3日付けの純資産総額ランキングを見ると、純資産総額1兆円を超えるファンドは5本。先の2本の他は、野村アセットマネジメントの「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」、国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」、日興アセットマネジメントの「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」です。

純資産総額が1兆円を超えるファンドが5本となったのは、実に6年振りのことで過去最多と並んでいます。6位のピクテ投信投資顧問の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月決算型)」も純資産総額は約9145億円あることから、1兆円が視野に入りつつあります。2007年のピーク時には、純資産総額が約2兆8500億円もあったことから、再び1兆円に戻るのか気になるところです。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドと新光US-REITオープンのデットヒートが続いていますが、3位の野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)がその背後に迫りつつあります。3強の戦いの動向が気になるところですが、同投信は2014年8月30日以降、新規申し込みが停止になっていました。しかし、9月8日から新規申し込みの再開が9月4日に発表されています。

同投信は、2014年の投資資金の資金流入が突出して多い(2014年1月~7月末まで6246億円)商品です。新規申し込みが一時停止する前の勢いを考慮すれば、9月3日現在の約135億円程度の差はあってないようなものです。三つどもえは一時的に過ぎず、あっという間に純資産総額トップに立ち、他の2ファンドを引き離す可能性もあります。

純資産総額トップは3ファンドの混線か、それとも新規申し込みを再開する3位の野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)が抜き去るのか目が放せません。
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