鎌倉・江ノ島の観光・旅行/鎌倉・江ノ島 季節(春夏秋冬)の観光

鎌倉の萩の花の美しいお寺めぐりと、奇祭・面掛行列(2ページ目)

つい先日までの夏の暑さが嘘のように、朝夕の涼しさに秋の訪れを肌で感じる9月中旬。初秋の鎌倉を彩る萩の花の美しいお寺めぐりと、毎年、9月18日、長谷(坂ノ下)の御霊神社で行われる奇祭「面掛行列(めんかけぎょうれつ)」をご案内します。また、記事の最後では、秋の鎌倉の見所をご紹介します。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

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浄光明寺へ 美人祈願の仏

海蔵寺から、さきほど来た道を寿福寺まで引き返し、寿福寺前の踏切を渡りましょう。踏切の先を左側へ歩いて行くと、浄光明寺というお寺があり、境内に入ってすぐ左には『楊貴妃観音』という石造りの仏様がおまつりされています。
『楊貴妃観音』と萩

『楊貴妃観音』と萩

お寺や仏像に詳しい人は、京都の泉涌寺(せんにゅうじ)におまつりされている『楊貴妃観音』のことをご存じでしょう。泉涌寺の『楊貴妃観音』には、以下のような話が伝わります。

世界三大美女の一人として知られる楊貴妃は、中国唐王朝の時代、玄宗皇帝の寵愛を受けました。しかし、楊貴妃は38歳の若さで殺害され、その死を嘆いた玄宗皇帝は、仏師に命じて彼女の美貌に似せた一体の観音像を彫らせ、亡き妃を偲んだといいます。

500年の後、日本から渡った留学僧がこの像を譲り受け日本に持ち帰ったのが、京都泉涌寺の『楊貴妃観音』と伝わり、美人祈願の仏像として人々の信仰を集めています。

平成16年、縁あって泉涌寺の末寺である浄光明寺に寄進されたのが、長岡和慶仏師の手による、この『楊貴妃観音』の模刻です。
浄光明寺の萩

浄光明寺の萩

浄光明寺で、ぜひお参りしたいのが、本尊の『阿弥陀三尊像』。「土紋(どもん)」という粘土で作った文様で衣服の模様が表現されており、中世の鎌倉彫刻の代表的作例といわれています。

「土紋」は湿度の変化に弱いため、雨天、多湿日を除く、木、土、日、祝日のみ拝観可能です(8月は拝観休止)。

<DATA>
■浄光明寺
住所:鎌倉市扇ガ谷2-12-1
アクセス:JR・江ノ島電鉄「鎌倉駅西口」徒歩15分
地図 → Googleマップ
浄光明寺公式 Twitter

鎌倉の「萩寺」、宝戒寺へ

先ほどの寿福寺前の踏切までいったん戻り、線路とは反対方向へ歩いて行きましょう。この道は、道沿いに「窟堂不動(いわやどうふどう)」がまつられているので「窟堂道(いわやどうみち)」と呼ばれています。

しばらく歩いて行くと左側に、「鎌倉市川喜多映画記念館」があり、その先を左折すると、鶴岡八幡宮の境内の森が見えてきます。八幡宮門前の道を右手の方へ、まっすぐに歩いて行きましょう。この道の突き当たりに、鎌倉の「萩寺」として知られる宝戒寺があります。
鎌倉の「萩寺」、宝戒寺の白萩

鎌倉の「萩寺」、宝戒寺の白萩

宝戒寺の参道の石畳はいつ来ても美しいですが、初秋は道の両脇に白萩がこぼれんばかりに咲いていて、より一層、優美に見えます。
白いヒガンバナ

白いヒガンバナ

萩といえば紫色の花が多いですが、宝戒寺の萩は白萩がほとんど。萩だけでなく、珍しい白いヒガンバナ(曼珠沙華)も咲いていますよ。

<DATA>
■宝戒寺
住所:鎌倉市小町3-5-22
アクセス:JR「鎌倉駅東口」徒歩15分
地図 → 宝戒寺公式ホームページ アクセス
宝戒寺公式ホームページ

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