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不順な天候が続いた今年の夏。もはや異常気象は「異常」と呼べなくなっている(イメージ写真)

「平成26年8月豪雨」―― 気象庁は8月に入ってから台風11号・12号や前線の影響で西日本各地に大規模な被害をもたらした記録的大雨に対し、8月22日、このような名称を命名しました。同庁は顕著な災害を起こした自然現象について、大規模災害の経験や教訓を共通認識として将来に伝える目的から、こうした統一的な名称を定めるようにしています。

その8月、新聞やテレビでは天候不順(異常気象)による自然災害のニュースが連日のように繰り返され、京都府福知山市や兵庫県伊丹市では深刻な被害に見舞われました。特に、広島市の安佐南区や佐伯区での土砂災害は甚大な被害をもたらし、8月30日現在、72名の死亡が確認されています。

この広島の土砂災害では、避難勧告を出すかどうかの判断指標となる「避難基準雨量」に降水量が達していたにもかかわらず、実際に避難勧告が発動されたのが「避難基準雨量」の超過を確認した2時間後だったことが分かっています。そのため、そのことが避難の遅れにつながったとの批判が出ており、手続きの見直しが迫られています。

これまで、怖いものの例として「地震」「雷」「火事」「台風」「津波」などが注目されてきましたが、「平成26年8月豪雨」以降は土石流や土砂災害にも警戒が必要です。広島市では、いまだ約15万人に避難指示や避難勧告が出されており、8月30日時点で約1100人が避難所での避難生活を余儀なくされています。二次災害の発生懸念から避難生活の長期化が心配されており、かつての平穏な日中が戻るには相当の時間がかかりそうです。

そこで、豪雨災害によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害を受けられた人々が1日でも早く生活再建できるよう、公的支援に関する情報を集めてみました。微力ながら被災者のお役に立てれば光栄です。

被災者本人・被災者の遺族に支給される弔慰金、見舞金、支援金 

【災害弔慰金】/国の制度
暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象により死亡した遺族に対して弔慰金が支払われます。

 ・世帯の生計維持者が死亡された場合:500万円
 ・その他の人が死亡された場合:250万円

【災害障害見舞金】/国の制度
上記の自然現象により重度の障害(両眼失明、要常時介護、両上肢ひじ関節以上の切断など)を受けた人に対し、災害障害見舞金が支払われます。

 ・世帯の生計維持者が重度の障害を受けた場合:250万円
 ・その他の人が重度の障害を受けた場合:125万円

【広島市災害見舞金】/市の制度
上記の自然現象により下表の被害を受けた場合、広島市から災害見舞金が支払われます。

広島市災害見舞金

 

【広島県災害見舞金】/県の制度
広島地方気象台および大阪菅区気象台の発表する注意報および警報が発令された場合における自然災害に起因して被害を受けた際、広島県から以下の災害見舞金が支払われます。

  ・住家の全壊・全焼・流失世帯:30万円
  ・住家の半壊・半焼世帯:10万円

【被災者生活再建支援金】/国の制度
自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた世帯(住家が全壊・全焼・全流出した世帯、半壊や半焼により、やむを得ず住家を解体した世帯、大規模半壊の世帯など)に対して被災者生活再建支援金が支払われます。

支給される金額は、次の(ア)と(イ)の合計額となります。なお、単身世帯の場合は各該当金額の4分の3の金額が支給されます。

被災者生活再建支援金

 
 

生活再建の足かせとなるのが「二重ローン問題」  機動的な救済策に期待! 

【すでに住宅ローンがある被災人に対する緩和措置】
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被災者の再建を阻む「二重ローン問題」。機動的な対応が期待される。

被災して住宅ローンの返済に困っている人は金融機関へ相談しに行ってください。被災の程度や収入見通しにより弾力的に返済計画の見直しに応じてくれます。東日本大震災のときには、一定期間の元本返済の猶予や返済期間の延長などが可能になりました。

【災害援護資金貸付け制度】/国の制度
災害による住家が全壊あるいは半壊した、家財の3分の1以上に被害を受けた、あるいは世帯主が重症(概ね全治1カ月以上の負傷)を負った場合に、一定所得以下の世帯に対し、被災状況に応じて最高350万円を融資してくれます。

【生活福祉資金貸付け制度】/国の制度
被災した低所得世帯、障害者世帯、あるいは日常生活上の療養や介護を要する65歳以上の高齢者世帯に対し、当座の生活費として最高10万円を無利子で融資してくれます。

また、被災した自宅の増改築や補修などに必要となる費用も、上記の低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象に最高250万円を融資してくれます。

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広島市では被災者に対し、市営住宅および県営住宅の無償提供を開始しました。しかし、抽選のため希望者全員が借りることはできず、また、運よく住めても、その期間は6カ月と短いため、落ち着いた生活はできそうにありません。

さらに、個人的に心配なのが「二重ローン問題」です。阪神淡路大震災のときも東日本大震災のときも、この問題が被災者の生活再建を妨げました。借りたものを返すのは当然ですが、状況に応じた機動的な対応を期待したいものです。3大メガバンクの2014年3月期決算は、そろって最終利益が過去最高を更新しました。企業体力がある今だからこそ、債権放棄という手も検討に値すると個人的には考えます。

もはや異常気象は異常ではなくなっています。毎年のように天候不順は続いています。今後も発生するであろう大災害に備え、よりきめ細かなセーフティネットの構築が欠かせなくなっています。

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