ハイレゾとは?
家電量販店に行くと、最新の製品が並んでいます。テレビ売り場では、フルハイビジョンの4倍の解像度をもつ「4K」が盛り上がりを見せています。これと同じように、オーディオ売り場でも、従来よりも高品質なコンテンツを売り出しています。それが「ハイレゾ」です。ガイドの近所にある、家電量販店のオーディオ売り場の一部。プレーヤーやスピーカーも、比較的高めの値段となっている
ハイレゾとは「ハイ・レゾリューション(High Resolution)」に由来する言葉で、「CDよりも高解像度」という意味です。そもそもCDは、原曲を録音してデジタル化するときに、一部のデータを圧縮して記録しています。そのCDよりも高品質な音が楽しめる、ということです。
例えるなら、原曲が滑らかな坂道だとすれば、CDは段差のある階段のようなもの。ハイレゾ音源は、CDよりも階段の段差を小さくすることで、より滑らかな音を再生できるのです。これが、CDより高解像度と呼ばれている理由です。その分、データ量は格段に大きくなりますが(CDの3倍程度、一般のダウンロード配信の10倍程度)、原曲に近い空気感や臨場感を味わえると言われています。
視聴すると、確かに音に奥行きを感じる。ただ、これがハイレゾ音源だからこそなのか、性能のいいヘッドフォンで聴いたからなのか、いまいち区別がつかないのが率直な感想
ハイレゾの定義は2つ?
とはいえ、何をもってCDより高解像度とするかは、実は曖昧なところがあり、オーディオメーカーや配信事業者が独自に「ハイレゾ」と名乗っていました。そこでJEITA(電子情報技術産業協会)は今年の3月に、ハイレゾの定義を発表しました。それによると、サンプリング周波数(kHzの数)と量子化bit数(bitの数)のいずれかが、CDスペックである「44.1kHz/16bit」を超えていればハイレゾ、となります。ところが日本オーディオ協会は6月に「ハイレゾは96kHz/24bit以上であること」と定義しました。これは、現実的に広がりをみせているハイレゾ音源が、概ね「96kHz/24bit以上」であることを意識したものと思われます。
moraで販売されている、宇多田ヒカルのハイレゾ音源も96kHz/24bit。ちなみに1曲で514円、11曲入りのアルバムで4,114円と、従来の配信やCDよりも高い
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