その7:風物詩としての役割がスゴイ
四季の風景も楽しめます
「旅情気分」、「伝統芸能や祭りの紹介」、「郷土料理の堪能」なども風物詩として大きな役割を果たしています。冒頭でタイトルが流れるとき、炎がメラメラする(特に京都を舞台にした2時間ドラマ)ことも少なくありませんが、それも2時間ドラマの風物と考えると、意味のあることなのでしょう。
その8:時代劇もスゴイ
『鬼平犯科帳』、『剣客商売』、『必殺仕事人』など、かつて連続ドラマだった人気シリーズが2時間ドラマとして定着しています。特徴としては“ヒロインが危ない→危機一髪で助ける”……ではなく、“ヒロインが危ない→ ヒロインがの命が奪われる→主人公の怒り爆発!”となり、事件解決ではなく、非合法的に退治する。時代劇はこんな流れが少なくありません。
どの作品も日本の四季や田園風景、活気ある江戸の町並みなど、絵的に楽しませてくれ、その豊かさがスゴイです。
また、時代劇では「いかにも」な大胆な芝居が多いのですが、東山紀之演じる渡辺小五郎(『必殺仕事人』)や斎藤工演じる秋山大治郎(『剣客商売』)の自然な雰囲気は、イケメン指数を抜きにしても好感が持てて、新しさを感じます。
『必殺』の光と影、『鬼平』の四季おりおり、『剣客』の武士道など、受け継がれるものは多く、一方で新しい演出や映像が加わり、さらに迫力ある時代劇が盛り上がっていくことでしょう。
その9:ずっと続いていることがスゴイ
『浅見光彦シリーズ』は現在TBS系列で33作(主演は辰巳琢朗→沢村一樹→速水もこみち)、フジテレビ系列で50作(主演は榎木孝明→中村俊輔)が放送されています。かつては日本テレビ系列でも放送されていました。『十津川警部シリーズ』はTBS系列では『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ』として渡瀬恒彦主演で52作、テレビ朝日系列では62作(主演は三橋達也→高橋秀樹)を放送しています。またフジテレビでは若かりし頃の十津川刑事を高嶋政伸主演の『十津川刑事の肖像』を9作まで放送しています。
連続ドラマが10話前後ですから、いかにスゴイかがわかりますね。長い間愛されていること、いくつものテレビ局で、何人もの俳優が演じている、引き継いでいることに感動してしまいます。
その10:新しい2時間ドラマもスゴイ
しかし、2時間ドラマは古典に頼っているだけではありません。新しい作品という印象ですが、実は数年続いている注目の作品をご紹介します。『SP~警視庁警護課』(テレビ朝日系列)は、2011年にテレビ朝日系列でスタート。年に1回放送される渡瀬恒彦主演SPを描いたシリーズです。
この作品でスゴイのは以下の2点。
1.主演の渡瀬恒彦演じる主人公が老いとの闘いを明言するところがスゴイ
2.高畑淳子演じる政治家の演説がスゴイ
定年間近の主人公、竹内孝治が肉体を酷使しながら「俺はまだまだやれる」と呟きながら自らを鼓舞して働く姿は新鮮ですし、元総理大臣の娘である政治家の石鍋キリ子(高畑淳子)の360度どこから見ても迫力ある演説は圧巻です。
2時間ドラマは街を描きます
“伝統と革新”、まさにこの2つが共存する2時間ドラマは、今後もさまざまな“スゴイ”で、日本のドラマをますます面白くしてくれるはずです。