アイルランド/ダブリンからのオプショナルツアー

ダブリンから気軽に行ける世界遺産! ニューグレンジ

ピラミッドより前につくられたとされるアイルランドの巨大遺跡ニューグレンジ。何のためにつくられたのかなど謎の部分はまだまだ多いものの、驚くべき精巧なつくりで、当時アイルランドに高度な文明が存在していたことが分かります。

執筆者:原 貴子

アイルランドに息づいていた文明を証明するニューグレンジ

1

ダブリン近郊にある巨大遺跡ニューグレンジ。写真提供:アイルランド観光庁

ダブリンからバスや車で一時間ほどで簡単にアクセスできるミース州に位置するニューグレンジ。ボイン川の遺跡群の中心に位置するこの巨大遺跡は石器時代のものとされ、5000年以上の歴史があることになります。石器時代といってもイマイチピンとこない方は、ピラミッド以前のものと推定される、と考えるとわかりやすいでしょうか。

その歴史的な価値の高さから世界遺産に認定されているニューグレンジ。
世界遺産と聞くとやたら奥地にあってアクセスが難しい印象がありますが、このスポットは首都のダブリンからタラの丘やトリム城など、周辺の重要スポットとセットになったツアーがたくさんあるので簡単にアクセスできます。余裕を持ったスケジュールで回れて一日で帰ってこれるので、比較的短い旅程の方にもおすすめです。ダブリン観光の合間にぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

ニューグレンジと一緒にまわりたい、タラの丘>>>アイルランド人の心のふるさと タラの丘

ニューグレンジは当時の人たちの熱意の賜物

2

遺跡の内部。石に不思議なモチーフが彫り込まれている。写真提供:アイルランド観光庁

内部に遺骨が発見されたことから長い間お墓と認識されてきたニューグレンジ。ところが1960年代に、一年でもっとも日が短い冬至の日に入り口から真っすぐ伸びる18メートルの石づくりの通路を太陽光が照らしだすという驚くべき設計の秘密が発見されます。現在では遺跡のつくられた理由は埋葬や宗教的な儀式が行われる場所であったのではないかなど、諸説さまざまありますが、正式にはまだよくわかっていません。ただ、自然に対する畏敬の念がそこに存在していたことはこのつくりを考えても確かといえるでしょう。

最低でも5000年以上前にさかのぼる当時の技術や時代背景を考慮すると、この遺跡の建築技術には驚くべきものがあるといわれています。またその高度な文明もさることながら、現在ほど寿命が長くなかった人たちが長い年月をかけてこの場所を数世代でつくってきたとされることにも驚かされます。現代の人を惹き付ける精巧なつくりの巨大遺跡の魅力は、そんな昔の人たちの静かな情熱に裏打ちされたものなのかもしれません。

3

一年に一回、内部に差し込む太陽の光。写真提供:アイルランド観光庁

ツアーの申し込みは、ダブリンの街の中心地にあるツーリストインフォメーションで簡単にできます。なかには冬至の日に石造りの通路に差し込む通路の光の再現に立ち会えるツアーもあるそうです。まだまだ多くの謎に包まれた神秘的な古代遺跡・ニューグレンジ。ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。


【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でアイルランド関連の書籍を見るAmazon でアイルランドの旅行ガイドを見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます