エクステリア(外構)とは外まわり全般、外部空間の設えのこと
エクステリアは、建物本体の間取りやデザインと合わせて検討することで美しい佇まいが生まれる。 [エクステリアプラン 南欧風トラディシオン] YKK AP
一般的な住宅の場合であれば、門扉やフェンス、駐車スペース、アプローチ、庭づくりなどを含めたものがエクステリア(外構)プランとなるでしょう。単独で考えるのではなく、建物本体と調和したプランとすることで、美しい佇まいの住まいが実現するものです。
エクステリアプランは、建物本体の間取りプランと同時に検討する
エクステリアは、住まい全体の印象を左右する重要なものですが、新築の場合、どうしても建物本体に気を取られ、後まわしになってしまいがち。また、予算の関係などから、とりあえず、門扉とフェンス程度を設置し、後は引っ越してから、というケースも多くみられます。しかし、快適で暮らしやすい住まいを実現するためは、建物だけではなく、敷地の中をどうプランニングするか、建物も外まわりも同時に検討することが大切です。後まわしにしたために、希望していたウッドデッキが設置できなかったり、車の出し入れがしにくくなってしまったり、洗濯物干し場のプライバシーが保てなかったり、といったケースもみられますし、外まわりに設置される、排水枡やメーター類、配管などが施工された後では、プランに影響が出ることもあるので注意が必要でしょう。
門扉やカーポートの配置や動線など、前面道路との兼ね合いに配慮して。 [LIXILカーポートSC 施工例 27-50型 柱・梁:ブラック 屋根材:ブラック] LIXIL
Point1 敷地の中でのゾーニング(配置計画)を考える
エクステリアは、建物と同時にプランニングすることが基本ですが、外まわりスペースそのものの考え方としては、室内の間取りと同様に、ゾーニング(配置計画)から検討を。玄関アプローチや駐車スペース、庭や裏方のスペースなど、敷地のどのあたりに、どのくらいの広さを確保したいのか、大まかにイメージすることが大切です。たとえば、道路付けと大きく関わる、門扉から玄関アプローチ、駐車スペースなどから考えてもいいでしょう。家の顔ともなる場合も多いので、道路からの使い勝手や見え方に配慮して、位置や広さなどを検討すること。駐輪スペースなども考えておきたいポイントです。
Point2 スペースの使い方に合わせた屋内外の動線をイメージする
ゾーニングと合わせて考えたいのが動線。門扉から玄関へ、駐車スペースから玄関や勝手口へ、玄関から庭へなど、日々の暮らしをイメージしながら、家族みんなの外での動き方をイメージしてみましょう。もちろん、建物の間取りとの関係も重要なポイント。たとえば、リビングからつなげたデッキの使い勝手はいいか、洗濯機置き場から物干しスペースは行き来しやすいか、庭で遊ぶ子供が出入りしやすいか、などを検討することも大切です。また、高齢の方がいらっしゃる場合は、段差を少なくしたり、スロープや手すりを取り入れるなど工夫も必要でしょう。
一戸建ての醍醐味である庭をもうひとつのリビングと活用しても。 [EXSIOR タイルデッキ ] LIXIL
Point3 くつろぎのゆとりスペース、裏方の作業スペースも確保
敷地の広さなどにもよりますが、一戸建てならではの空間である庭、中庭や坪庭などといった、くつろぎやゆとりを生みだすスペースは、できる限り確保しておきたいもの。中心となる部屋(リビングなど)に面して庭を設けるプランが多くみられますが、テラスやデッキなどを設置したい場合は、早めに設計担当者に伝えておく方がいいでしょう。また、キッチンやユーティリティ近くに、裏方のスペース(サービスヤード)も確保しておくと便利なものです。洗濯物干し場やゴミの一時置き場、DIYなどの作業場や物置など、使い勝手を考えてプランニングすることが大切です。
Point4 プライバシーや防犯面にも配慮することも重要
門扉やフェンスなどエクステリア建材は多種多様。さまざまなデザインから選ぶことができる。 [アルミ形材門扉 プレスタ 施工例 門扉:7T型/フェンス:8型 シャイングレー] LIXIL
一般的に、エクステリアプランは、オープン外構とクローズド外構に分けることができます。開放的なオープン外構は、敷地への出入りは容易ですが、近隣から敷地内が見渡せ死角がないことで、防犯性が高まるケースも。また、背が高く敷地内が見えにくい門扉や塀などを設けることの多いクローズド外構は、プライバシーを確保することができますが、プランニングによっては、外からの死角が生まれてしまうこともあるため、適した防犯設備機器の設置が必要でしょう。
最近では、これらふたつの良さを取り入れたセミクローズド外構が主流ですが、いずれのスタイルでも、敷地形状や周辺環境などに合わせたプラン、設備機器や建材を取り入れることが大切です。
Point5 必要なエクステリア建材、設備機器などを取り入れる
エクステリアプランは、夜間の使い勝手にも十分に配慮を。特に照明は住まいの印象にも影響する。 [ガーデンライト 施工例 門まわり・ルシアス ウォールでの使用] YKK AP
エクステリアメーカーからは多種多様な商品建材が揃っているので、設計担当者からの提案とともに、カタログやホームページなどで情報収集をすることも大切です。
Point6 建材設備はショールームで必ず確認を
具体的な建材設備商品を選ぶ際には、できる限りショールームで実物の確認を。デザインや素材感などだけでなく、門扉やカーポートなど、実際に操作してみることで、使い勝手を確認することができるでしょう。エクステリア建材のショールームの数は多くはありませんが、足を運ぶことができるエリアにあるのであれば、積極的に利用することをおすすめします。
Point7 シンボルツリーなどの植栽も計画しておきたい
植栽は住まいのイメージだけでなく、街並の印象も変えるポイント。 [PLAN04 ナチュラルモダン] YKK AP
どのような植栽をプランニングするとしても、道路など屋外からの景観だけでなく、室内からの見え方にも配慮することを忘れずに。たとえば、リビングソファに座ってみえる風景、浴室からの風景なども考慮して、バランスよく配すること。また、植栽の成長も考慮することも大切です。ももちろん、樹木の特徴やお手入れの方法なども確認しておくこともポイントでしょう。
その他、景観的な面だけでなく、防風や遮音、日除けなどを目的として植栽プランを検討する場合も。敷地条件や環境、目的に合わせた樹種など、専門家の意見を取り入れながら選ぶようにしたいものです。
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