名作と言われる少女漫画の実写化作品はコレ!
『櫻の園』(1990年度作品)
女子高演劇部の人間関係をチェーホフの櫻の園を上演する前の2時間の物語として映画化。
上演まで2時間という時間の枷を使ってスリルと緊張感を生み出し、思春期ならではの危うさと若さゆえの強さを描いた映画です。女子高出身で演劇好きなら、あるあるの雰囲気と人間関係にのめり込んでしまうかも。
原作に頼り過ぎず、中原監督が自分のフィルターを通して、『櫻の園』を自分なりの解釈で映画化したのがよかったのでしょう。漫画の映画化はヴィジュアル込みで原作に振り回されがちですが、これは振り回されず、原作の魅力を拡大した映画として成功しています。
監督:中原俊 原作:吉田秋生 出演:中島ひろ子、つみきみほ、白島靖代、梶原阿貴、三野輪有紀、白石美樹ほか
『四月怪談』(1988年度作品)
女子高生が事故で亡くなり、天国で「今なら間に合う。すぐ戻れ」と言われるけれど、彼女は自分のお通夜を見たり、好きな人の家を見に行ったり、成仏できないままでいる先輩幽霊と行動を共にする……。
少女漫画界の巨匠、大島弓子のファンタジー漫画の実写映画化。死んだあと「みんな悲しんでくれるか」「自分は周囲にどう思われていたのか」なんてこと知りたいと思うことありますよね。そんな小さな願望を天国行く前にかなえようとするヒロインの好奇心に共感。でも知らなくてもいいことを知って逆に傷ついたりして……。死の物語なのに、暗く重くなく、次第にヒロインの気持ちが「生きたい!」と変化していくのがいい。幽霊を描きながらもそこに描かれているのは生きるということ。かわいいファンタジーに見えますが、その世界観はわりと大人! さすが大島弓子の原作ですね。
監督:小中和哉 原作:大島弓子 出演:中嶋朋子、柳葉敏郎、角田英介、山口果林ほか
※『ホットロード』の原作そのものが、ちょっと前の少女漫画なので、その時代の作品をメインに集めてみました。最近の作品としては『君に届け』『僕等がいた』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『今日、恋をはじめます』『好きっていいなよ。』壁ドン!が話題になった『LDK』がありますね。
また2014年も少女漫画映画化目白押しです!近いところでは10月公開の『近キョリ恋愛』がありますよ。最新少女漫画の実写映画はまた追いかけて行こうと思います!