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これを飲まずに帰れない! マカオの有名ビール

マカオの地名を冠した唯一の地ビール「マカオビール」。口当たりの良さとフルーティな後味が特徴的なエールタイプのプレミアムビールで、ポルトガル料理やマカオ料理によく合うことから、広く市民や観光客の間で愛飲されています。

執筆者:勝部 悠人

料理との相性も抜群のエール

マカオビールブロンドエール

マカオビールブロンドエール

マカオ唯一の地ビールで、地名をブランド名に冠した「マカオビール」をご紹介しましょう。正式名称は「マカオビールブロンドエール(澳門■酒金牌)」、プレミアムビールの位置付けで、マカオの一部の飲食店やスーパーのみ販売されている完全地域限定商品です。※文中の■には「口」へんに「卑」という中国語独特の漢字が入ります。

マカオビールはベルギービールなどに代表される「エールタイプ」となっており、まろやかな口当たりと、香り高いフルーティな後味が特徴的です。なんとなく、リンゴのようなほの甘い感じというと、より伝わりやすいかもしれません。ポルトガル料理やその流れを汲むマカオ料理との相性も良く、地元マカオ市民や観光客の間で広く親しまれる存在となっています。

マカオビールは1996年にマカオ在住のアメリカ人が立ち上げた比較的新しいブランドといえます。マカオ半島北部のビル内に自社工場を置き、ほぼ手作りのような形で製造していたことから、出荷量は毎月1千ケース程度だったそうです。ちなみに、当初は普及版のピルスナータイプとプレミアム版のエールタイプを併売していましたが、現在はエールタイプのみ製造、販売されています。

実はこのマカオビール、日本とのゆかりがあるのをご存知でしたか。カジノ経営権の対外開放が実現し、マカオが国際的リゾート都市への飛躍を遂げるきっかけとなった2002年、日本のキリンビールが中国子会社を通じてマカオビールブランドを買収しました。しばらくの間はマカオの工場での生産を続けましたが、設備の老朽化やスペースが手狭になったことなどから、生産拠点をマカオに隣接する広東省珠海市に新たに完成したキリンビールの最新鋭の工場に移管。キリンビールの持つ技術とノウハウを活用してクオリティアップと生産量の拡大を実現しました。香港の日刊紙文匯報が2011年12月に報じた記事によると、需要は毎年10%程度の安定した伸びをみせ、生産量は月1万3千ケースにまで達しているとのこと。これは域外からマカオを訪れる観光客の数の増加ペースと比例することから、観光業の発展に合わせてマカオビールの人気も上がっている様子がよくわかります。

現地では「プレミアム」な存在

マカオビールはマカオでのみ流通しており、取り扱いのあるレストランやスーパーは限られています。レストランではポルトガル料理店がメイン、小売店では地元大手スーパーマーケット「ロイヤル」などで販売しています。現地のレストランでポルトガル料理に合わせて楽しみ、日本へのおみやげ用にスーパーで購入しておくのもいいでしょう。スーパーで販売されているのは330mlのガラスボトル入りのみで、価格は2014年8月現在7.5マカオパタカ(日本円換算約100円)となります。たいへんリーズナブルな価格にみえるかもしれませんが、マカオで販売されている一般的な缶ビールと比べておよそ1.5~2倍の価格に相当し、やはりプレミアムです。

マカオといえば、ポルトガル文化の影響を色濃く残す街という印象が強く、旅行ガイド誌などでも「ポルトガルワイン」にばかりに注目が集まりがちです。もちろん、品質と価格のバランスの良いポルトガルワインは魅力的ですし、品揃えも豊富です。一方、ビールもマカオでは市民の間で広く普及しています。年間を通じて高温多湿でとにかく暑い時期が続く南国マカオでは、冷たいビールをぐいっと飲んでリラックスするのが日常的。ポルトガルが誇る2大ビールブランドの「サグレス」と「スーパーボック」、キリンビール(珠海)の大衆向けブランド「海珠」、日本でもお馴染みのブランド「青島」などがほぼどの店でも手に入るメジャーなブランドとなります。

日本の技術が支えるマカオの地ビール、なんだか不思議な感じがしますが、ぜひマカオでその味をお楽しみください。

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