借りられる場合と借りたい場合のプランニング
「借りたいのに借りられない」「返せるのに借りられない」様々なケースがあります。中長期のライフプラン、キャリアプランから身の丈にあった購入予算プランニングをたててください
前ページでは、借りられる額をむやみに借りると返済が厳しくなるので要注意、という話をいたしました。ですが、家庭の事情は様々です。例えば、「子どもの手が離れたら配偶者の収入が見込める」「転職したてで一時的に収入が少ないだけ」「もうすぐ子どもが独立するので教育負担が減る」など、家計収支の増額や返済見込みが成り立つ場合は、中長期のライフプランやキャリアプランを考慮した予算プランニングが効果的です。
また、「どうしても欲しいマンションがあるため、できる限り多く借りたい」というケースもあります。無茶な借入れはしてはいけませんし、金融機関の審査条件を超えることもできません。参考にしたいのは、借入額増額の原則。それは「金利を低くし返済期間を長くする」です。
前頁の計算式に「3623」という数字がありましたが、これは100万円を2.59%、35年返済で借りた場合の毎月返済額の数字です。金利が1%上がると「3623」は「4185」となって借入可能額は4180万円に、返済期間を5年短くすると「3993」となって借入可能額は4380万円になります。それぞれ650万円、450万円の減額となりますが、借入額を増やすにはこの逆、つまり、金利を低く返済期間を長くする必要があることをおさえておきましょう。
注意したい、フラット35と民間金融機関の違い
これまでの借入可能額の試算は「フラット35」を利用した場合でした。フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関がタイアップしてできた長期固定金利の住宅ローン商品です。多くの民間金融機関が取り扱っています。
フラット35では、先の試算例のとおり店頭金利を基に借入可能額の計算ができます。ですが、民間金融機関の独自の住宅ローンでは、各機関の基準にて融資審査が行われるため、借入可能額の計算はできません。詳しくは、販売担当者や金融機関へご確認ください。
いかがでしょうか。将来にわたって家計破綻のない購入予算プランニングは、ご自身やご家族の中長期のライフプランやキャリアプランを見据え、家計収支からの「返せる額」と年収からの「借りられる額」のバランスをとることがポイントです。豊かで素晴らしいマンション暮らしのスタートをお祈りしています。