一言一言が”刺さる”演出
――本作の演出家・栗山民也さんは田代さんにとってどんな存在でしょう?
田代
それはもうとてつもなく大きな存在の方です。実は栗山さんと初めて会ったのは僕がまだ高校生の頃で、当時父が出演していたオペラ『夕鶴』の演出を栗山さんが担当なさっていたんです。新国立劇場のリハーサル室で通し稽古が行われているのを学生服を着て見学させて頂いていたり。当時はまさかこんな形でご一緒出来る日が来るとは思ってもいませんでしたね。
最初が『スリル・ミー』(2011年)だったんですが、あれもとても濃密な作品で、それまで出演していたミュージカルとは全く違うタイプの舞台でした……上手く言えないんですがとにかくもう色んな事が凄くて……。栗山さんが稽古中にボソっと言う一言が……全部グサっと刺さるんです。口数自体は決して多い方ではないんですが、僕の台本の書き込みが1番多いのは栗山さんの演出作品かもしれません。
――11月の『スリル・ミー』、4回目の”私”役になりますね。
田代
はい、2年振りに”私”役を演じます。今回は相手役も変わりますし(伊礼彼方さん)、この『きらめく星座』を経てからの舞台ですから、成長した”私”役を観て頂けるのではないかと思っています。
――10月にリリースされるソロアルバム『I am here ~Musical selection~』も楽しみです。
田代
ありがとうございます。デビュー5周年と云う事もあり、これまで出演した作品から厳選したナンバーを歌っています。ゲスト参加して頂く6人の歌い手の方達も本当にゴージャスで聞き応えのあるアルバムになっていると思います。
アルバムの中で『ラブ・ネバー・ダイ』のファントムのナンバーも歌っているんですが、録音の順番的には丁度真ん中位だったのかな……それが色々な曲を歌っている内に自分の歌が成長するのがはっきり見えて「ああ、もっと出来る、もっと歌える筈!」って後半で新たに録り直させて貰ったんです。丁度30歳、そして5周年と云う節目の年に作らせて頂いた作品ですので、多くの方に聴いて頂けたら嬉しいですね。自信作です!(笑)。
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