私の実父「貧乏父さん」が抜け出せなかった、お金の落とし穴
どうすれば落とし穴から脱出できるのか
一番大事なことは、「資産」と「負債」の違いを知り、「収入を生む資産」を買うことだけに集中することだということがお分かりになったことでしょう。
今回は、多くの人が陥りがちな「お金に関する勘違い」についてお教えしましょう。
私の著書『金持ち父さん』シリーズを愛読されている皆さんはすでにご存じですが、私は「お金に関する教育」の重要性を知ってもらうために世界各地で講演しています。
来場者の皆さんから色々な質問が出てきます。不思議なことに、国を問わず大半の質問はほとんど同じです。例えば、「手っ取り早く金持ちになるにはどうしたらいいですか?」とか、「どうしたらもっと稼げるようになりますか」といった具合です。こうした質問が出ると、ここにも勘違いしている人が大勢いるのだなあと私は残念に思うのです。なぜなら、何度も言いますが「どんなにお金があっても問題は解決しない」からです。
今の子どもたちがなりたい人気の職業は、ゴルフや野球といったスポーツで活躍するプロスポーツ選手、コンピューター業界の寵児、俳優や歌手、株式の花形トレーダーといったものなのだそうです。その理由は、そこに「名声」と「お金」があるからです。彼らはすでに、学校の成績が良いだけでは職業的に成功できないことに気づいています。
しかし、立派な教育を受けて職業的にも一応の成功を収めている人々だけでなく、テレビで見かけるような有名人たちの中にも、経済的に苦労している人は大勢います。なぜでしょうか。それは、学校で「一生懸命働く」ことだけを教えられ、その報酬として得たお金を「どう管理するか」を教わらなかったからです。
「貧乏父さん」が家族に遺せたのは生命保険証書だけだった……
生涯、支払いに追われ続けた貧乏父さん
高い教育を受けた男女が結婚し、賃貸アパートで暮らしています。子どもと一緒に暮らせる夢のマイホームを買う頭金を貯金し始めます。
共働きで収入も年々増えていきますが、税金や社会保険料も増えていきます。念願の家を買うと、固定資産税の支払いが必要になります。さらに家具やマイカーも買います。クレジットカードを使い始めます。
ある日、住宅ローンとクレジットカードの支払いでやりくりが苦しくなっていることに気づきます。そこでローン会社の勧めに従って住宅を担保にローンを一本化をし、金利の高いクレジットカードの支払いを済ませます。支払期間を延ばせば月々の支払額が減らせます。やれやれとほっと一息です。
子どもが生まれ、家族が増え、買いたいものが増えていきます。支出も税金も借金も増える一方です。支払いを続けるために、さらに一生懸命に働かなければなりません。それは、家族で過ごす時間や心身の健康を犠牲にすることになる場合もあります。働きに働いて、家族に遺せたのは生命保険証書だけだったという人が大勢います……私の実の父「貧乏父さん」がそうであったように。これが、私が「ラットレース」と呼ぶ人生の落とし穴のパターンです。
一番大きな「お金に関する勘違い」は、諸悪の根源はお金が足りないことではなく、「いま持っているお金をどう使うかを知らないからだ」ということに気づいていないことなのです。
もし今あなたが借金で苦しい思いをしているなら、まず現状を把握しましょう。そしてお金を管理する方法を学びましょう。税理士さんに相談するのも一つの方法です。お金の管理に関心を持ってください。お金は人生で一番大事なものではありませんが、あなたの大事なものに大きな影響を与えるものなのですから。
★次回は、「マイホームはなぜ負債か」についてです
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投資家、ビジネスマン、ベストセラー作家。著書『金持ち父さん 貧乏父さん』にて金持ちがお金について自分の子供たちに教えていること、中流以下の人たちが教えていないことを明かす。労働所得(給料)で生きるのではなく、お金がお金を稼ぎ出す不労所得の重要性を説き、お金教育の一環として『キャッシュフローゲーム』を開発した。
「金持ち父さん」日本オフィシャルサイト
http://www.richdad-jp.com/