山や雲と同じ高さの大きなパパ! 『ぼくのパパはおおおとこ』

小さな子から見たら、パパはきっと巨人のよう。パパの肩にしがみついて頬を寄せるには、はしごがいるほど大きい! かくれんぼをする時は、山の向こうに隠れてくれなきゃすぐ見つけちゃうよ! 外で椅子に座っているパパの肩で、雲が休んで寝ているよ!

決して大げさな表現ではなく、小さな子が見上げるパパは、山や空とも重なってこんなに大きく見えるのだということに気づかされる絵本『ぼくのパパはおおおとこ』。気づかされるだけでなく、幼い頃、自分の父親に対して「大きいなあ、頼りになるなあ、すごいなあ」と感じていた気持ちまで、よみがえってきそうです。


パパに憧れる子ども心がぎっしり

幼児期の子どもから見れば、勢いよく走り回る小学生もすごく大きく見えるし、中学生以上の人なんて、大人に見えるもの。ママをはじめ大人の女の人だって大きく見えるけれど、やっぱりパパは格別大きく見えるよう。それはきっと、背の高さや体格だけによらない、パパの存在感が醸し出しているオーラがあるからなのでしょう。

特に男の子はパパへの憧れも大きいでしょう。自分が力いっぱい投げたり蹴ったりしたボールより、パパがやるといとも簡単にはるかかなたに飛んでいくボールを見て、「ぼくも早く大きくなって、パパみたいにボールを遠くに飛ばせるようになりたい」と思うこともあるでしょうね。

子育て真っ最中のパパにとってこの絵本は、お子さんの憧れの気持ちを嬉しく再認識するきっかけになるかもしれませんね! パパの腕の中で「なぁんにもこわくないよ」と目をつぶる男の子。こんな信頼関係を、我が子と築けたら、そして、様々な環境下にある世界中のすべての子どもたちが大切に思う人と抱くことができたらと、願いたくなります。

そして、絵本の中のパパの「いつかパパみたいにおおきくなるぞ!」という言葉は、小さな子どもにとってはとてつもなく遠い先のことのように感じるかもしれませんが、見守るパパやママにとっては、意外とあっという間であったりもするのですよね……。


誰かへの憧れの気持ち

パパへの憧れとそれを包み込むパパの包容力を描いた絵本ですが、過ぎ去った日々を振り返って、自分の父親との思い出をたくさん思い出せる人もいれば、そうでもない人、様々な環境からそういった思い出がない人もいるかもしれません。

私は最初にこの絵本を読んだ時、今は亡き父親に幼いころ抱いていた気持ちを思い出しました。そして繰り返し読むうちに、父親に限らず、今までの人生の中に男女を問わず存在した憧れの存在に思いを巡らせました。

この絵本の小さな男の子にとっては、最初に大きな憧れを抱いたのが、パパ。そして父親に限らず、こんな風に自分もなりたいと憧れることができる存在は、その後に積み重ねていく毎日の土台にもなるのかな。小さな男の子の、信頼と希望に満ちているような穏やかな表情を見ながら、そんなことを考えました。
 

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