アメリカのコメディにトライしてみたい!
――これまでストレートプレイのご出演は『鹿鳴館』と『ブラック・コメディ』の2作品ですが、今後は?
濱田
やりたいです! 特に最後列のお客様の顔まで見えるコンパクトな劇場でアメリカの現代劇とかやってみたいですね。あ、特にコメディ! コメディやりたいです! 『二都物語』で帝劇に出演した時の演出が文学座の鵜山(仁)さんで、その時は暗いエネルギーが爆発するマダム・ドファルジュという役を演じていたんですが、鵜山さんが普段の私を見て「濱田はアメリカのコメディとか向いてるんじゃないか?」って言って下さっていたらしいんです。それ以来俄然気になっちゃって。アメリカのコメディ、トライしてみたいですね。
――濱田さんを観ていると毎回舞台で命を賭ける、位のモードで演じていらっしゃるのが伝わってきますが、オフの時にはどんなリフレッシュを?
濱田
それがね、なかなかリフレッシュまで行かなくて取り敢えず家でぼーっとしてますね。犬と戯れて匂いを嗅いで安心したり(笑)。あ、あと温泉!温泉に行くとリラックスできるかなあ……普段の生活の何事にも執着がないんですよね。だから舞台の本番中は周りの方達のフォローに支えられてる感が凄いです。役の人物から”濱田めぐみ”に戻るのが面倒になっちゃうんですよね。
1曲1曲をスペシャルに
そして宝石のような余韻を……
――では最後に『KING&QUEEN』にかける意気込みとメッセージをお願いします。
濱田
今回『KING&QUEEN』で歌わせて頂く1曲1曲全てにきちんと向き合って、丁寧に表現できたらと思っています。コンサートですのでお芝居とは違うのですが、ナンバー毎にお客様にその作品の世界を感じて頂ける様歌えたらと。歌い終えた時に舞台上に余韻、というか……何か光るものを残していきたいですね。例えば『ラブ・ネバー・ダイ』ならサファイヤ、『ボニー&クライド』なら真っ赤なルビー、『ウィキッド』はエメラルド。どのナンバーも”特別な1曲”としてお届けできればと思っています。
劇団在籍時代から『アイーダ』 『ウィキッド』 『ライオンキング』等の作品でオリジナルキャストとして舞台に立ち、退団後も『ボニー&クライド』 『ジキル&ハイド』 『ラブ・ネバー・ダイ』 『カルメン』等の舞台で、圧倒的な存在感とカリスマ性を放ち観客を魅了し続ける濱田めぐみさん。8月30日に赤坂ACTシアターで開幕するコンサート『KING&QUEEN』のお稽古開始前にお話を伺いました。
濱田さんと言えば”戦って傷付きながらも何かを手にする” ”凛とした佇まい”そんな言葉がびったりの女優さんですが、インタビュー時のご本人は「そんなに開いちゃって大丈夫ですか」と、むしろ心配になってしまうほどのオープンハートモード。明るくキュートな笑顔の奥に、これまで彼女が戦いながら歩んできた辛い道のりも垣間見え、心打たれる時間でした。取材終了後、ずっと頭の中をリフレインする『コーラスライン』の「愛した日々に悔いはない」の歌詞……。
”舞台上で命を賭ける” ”倒れるまでやる”普通の人が口にした途端、陳腐に聞こえてしまう言葉も彼女の口から出た瞬間”真実”に。これだけ純粋な心で作品と役、共演者、観客に向き合う俳優さんはなかなか居ません。濱田めぐみという表現者が今後どんな風に役を生き抜いていくのか……同じ時代に生きる観客の1人として見守って行きたいと思います。
◆『KING&QUEEN』 鹿賀丈史×濱田めぐみ ミュージカルコンサート
8月30日(土)~9月2日(火) 赤坂ACTシアター
⇒公式HP
(詳細な開演時間、ゲスト、東京以外の公演地等ご確認下さい)