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『テラスハウス』のルーツを探る(2ページ目)

9月終了が突然に発表された人気番組「テラスハウス」。その先行きはまったくわからないが、だったら逆に「テラスハウス」のルーツ探しをやってみようというのが今回の企画です。若い人にとっては、名前しか知らない番組や名前も知らない番組がたくさん出てきますから、あしからず。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

純日本流のリアリティショー

「リアリティショー」という言葉を日本に広めたのは、確かに2002年の「サバイバー」なのですが、そのコンセプトを先取りしていたかのような番組が、1999年スタートの「ガチンコ」(TBS系)でした。中でも不良少年を更生させてプロボクサーを目指させるコーナー「ガチンコファイトクラブ」が大人気を獲得しました。

竹原慎二や辰吉丈一郎がコーチとなって、プロボクシング試験に合格させるというもので、スタート直後から番組の看板コーナーに。不良同士の過激な乱闘シーンや、あまりにもドラマチックな展開に「やらせ」疑惑が持ち上がりましたが、もし当初から「リアリティショー」と銘打っていれば、あれだけ騒ぎにはならなかったかもしれません。

そう考えると、ホームページ上で「リアリティショー」であることが明示されている「テラスハウス」が、あれほど“やらせ疑惑”で叩かれる理由が分かりませんね。エンディングには「<演出>前田貴人」としっかりクレジットもされてるのに……。

日本での元祖は?

このように、用語として知られる以前から、日本では実質的に「リアリティショー」が作られてきました。1992年スタートの「進め!電波少年」(日テレ系)もそうですし、85年スタートの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日テレ系)の一部企画も、いま振り返ってみると「リアリティショー」そのものでした。

素人参加番組自体は、テレビ開局当時からずっと放送され続けていますが、参加者をドラマチックに捉えたという観点で、あえて日本版リアリティショーの元祖はと聞かれれば、独断ではありますが、1977年スタートの「アメリカ横断ウルトラクイズ!!」を挙げたいと思います。

それまでスタジオで静かに収録されていたクイズ番組を、当時は高嶺の花だったアメリカ旅行の中に組み込み、出場者一人一人にスポットを当てた斬新な構成。これをきっかけに広く名を知られた「クイズ王」も大勢います。今の目で見ても最高峰のリアリティショーと言えるでしょう。


リアリティショーだけでここまで長くなってしまったので、恋愛バラエティについての考察は次回とさせていただきます。乞うご期待。
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