9月開幕の注目!公演
『シェルブールの雨傘』9月2~21日=シアタークリエ、9月25日=福岡市民会館、9月27~29日=サンケイホールブリーゼ、10月3~5日=中日劇場←観劇レポートUPしました!
『マンマ・ミーア!』9月2日開幕=四季劇場・秋←観劇レポートUPしました!
『死神』9月3~9日=紀伊國屋ホール←観劇レポートUPしました!
『Studio 323 ミュージカル・アサ・コンサート』9月9、12、17、20日=カフェ・サルバドル←観劇レポートUPしました!
『ファントム オペラ座の怪人の真実』9月13~29日=赤坂ACTシアター、10月5~15日=梅田芸術劇場メインホール←観劇レポートUPしました!
『アルジャーノンに花束を』9月18~28日=天王洲銀河劇場、10月16日=福岡市民会館、10月18日=サンケイホールブリーゼ←観劇レポートUPしました!
10月開幕の注目!公演
『太陽と月とスッポン』10月1日=渋谷WWW
『道化の瞳』10月5~25日=シアタークリエ、11月1~3日=サンケイホールブリーゼ←観劇レポートUPしました!
『フレンチ・ミュージカル・コンサート』10月17~19日=東急シアターオーブ←観劇レポートUPしました!
『ワルツ~カミーユ・クローデルに捧ぐ~』10月28~29日=近江楽堂(東京オペラシティ3階)←観劇レポートUPしました!
AllAboutミュージカルで特集(予定)の公演
『三文オペラ』Star Talkにて、出演・石井一孝さんインタビューを掲載!
『Singin' In The Rain』Star Talkにて、出演・アダム・クーパーさんインタビューを掲載!
『女神様が見ている』Creatorsにて、作家、作曲家、演出家インタビューを掲載!
『モーツァルト!』Star Talkにて、出演・山崎育三郎さんインタビューを掲載!
『アリス・イン・ワンダーランド』気になる新星にて、出演・平方元基さんインタビューを掲載!
*Pick of the Month 今月の注目作品*
ミュージカル・コメディ『死神』
9月3~9日=紀伊國屋ホール『死神』
金に縁のないさえない男が、死神に知恵を授けられて大金持ちになるが……という落語『死神』をモチーフに、72年にいずみたくさんがミュージカル化した本作が、脚本に水谷龍二さん、演出に鵜山仁さんを得てリニューアル。主人公を左とん平さん、彼を誘惑するAKB48風(?!)ギャル死神を『Catch Me If You Can』などに出演している平田愛咲さん、他の役をイッツ フォーリーズのメンバーが演じます。音楽はいづみさんのオリジナル曲と、吉田さとるさんによる新曲をブレンド。人間の欲が生み出す騒動が、左さんのお茶目なキャラクターの力も借りてからりと、楽しく描かれそう。ミュージカル版ならではの「落ち」にも注目です!
『死神』
熱気に満ちたスタジオを訪れると、歌稽古の真っ最中。音楽監督の身振りにあわせて、合唱曲の歌声にどんどん「色」が付け加えられていきます。
休憩時間にキャストにお話をうかがったところ、平田愛咲さんは「70代の主人公と20代らしき死神が恋をするという設定で、はじめは不安だったのですが、とん平さんは誰もが好きにならずにはいられないお人柄。いずみたくさんの音楽も懐かしく魅力的で、特に『夜が終わるとき』というナンバーがすごく好きです」。イッツ フォーリーズの茂木汐月さんも「耳なじみのいいいずみの音楽と、ポップな吉田の新曲がうまくはまって、素敵な台本になっています」、井上一馬さんも「鵜山さんからは“漫画的に”演じてと言われていて、お子さんでも楽しめるような分かり易さもあるけれど、メッセージは“人の寿命は変えられないが、生き方は変えられる”というシニカルなもの。ご覧になった方それぞれに感じていただけるものがあると思います」と、手ごたえ十分の様子。見逃せない舞台が誕生しそうです!
『死神』写真提供:オールスタッフ
42年前の初演は、聞くところによると時代柄、社会の矛盾を鋭く、熱く問う舞台だったそうです。それに対して「2014年の人々の視点」を取り入れた今回の舞台では、シニカルさが前面に。冷静さの中に熱のある舞台となっています。たわいない寓話のように見えて、中盤からは「この世に正義はないのか」「生きることの意味とは」「寿命とは何なのか」といった骨太のテーマが次々と投げかけられる。ともすれば重い舞台になりかねないところですが、まるで演技などしていない(?!)かのように飄々と演じつつ、要所要所をぴしりと締める左とん平さんの“神業的”演技で軽やかに牽引されています。
主人公を誘惑するうちに本気で惚れてしまう死神ロロ役平田愛咲さんも、タンゴ調、AKB48風とバラエティに富んだナンバーを的確に歌い、踊り分けながら、遂には「身も心もあなたに捧げてあたしは空っぽ」と虚無感に苛まれる死神を興味深い存在として表現。その彼女も好きだとおっしゃっていた終盤のナンバー「夜が終わる時」は、憂いと懐かしさに満ち、心揺さぶられずにはいられません。いずみたくさんが残した、まさに時代を超えた名曲です。
*次ページでは『シェルブールの雨傘』以降の作品をご紹介します!*