ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

『ブラスト!』で感情の旅を。ソリスト石川直に聞く(5ページ目)

マーチングバンドやドラム・コーをエンターテインメント作品に昇華させた『ブラスト!』は、現在、シリーズ9回目の日本ツアーまっただ中。日本初演以来、ソリストとして活躍するパーカッショニストの石川直さんにインタビューしました。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

 

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客席と一体となって、盛り上がれ!

「あまちゃん」メインテーマ曲をブラストバージョンで披露

——アメリカと日本の文化の違いを感じますね。
僕は日本で小学校と中学校、アメリカで高校、大学生活を過ごし、エンタメの世界に入ったことによって気づいたんですけど、日本人はオンとオフ、切り替えるのか上手いんですよ。仕事は仕事として捉え、夕方5時になったら飲みに行く。一方、アメリカ人はそれほど切り替えない。仕事中も勉強中もエンターテイメントの要素が入っている文化なんです。高校でガムを食べながら、コーラを飲みながら、机に足を上げて「先生、もう一回教えてくれない?」なんて言っても許される世界。授業をちゃんと聞いていればOKで、仕事も勉強も、楽に楽しくできればいいという文化で、とにかく自分は楽しい!ということを身体でめいっぱい表現できる。
各地でワークショップに行くと、日本で吹奏楽をやっている中高生は、皆さんビシっとしています。『ブラスト!』のメンバーも技術や統一性など、日本人のレベルの高さに驚くんですよ。ただ、感情が閉じ込められてしまっているのが惜しいな、と。
だから、もし吹奏楽をやっている人たちが『ブラスト!』を観て、こんなに楽しんでいいんだ!と、文化や価値観の違いを肌で感じてくれたら嬉しいです。指導者として長く教えている学校では、教えていくうちに演奏がガラッと変わるんですよ。心に響く演奏をしてくれるようになる。感動して、何度も涙を流したことがあります。それは上手さというより、伝えるものがあるから。それは日本人、アメリカ人関係なく、人間として誰でも持っているもので、チャンネルが開けば誰でもできることなんです。

——最後に今回のツアーの見所を教えてください。
サプライズが2つあります。『ブラスト!』初の試みで、日本中で愛されたあの「あまちゃん」メインテーマ曲をブラストバージョンで披露します。また、視覚聴覚の面で、スネアドラムが8台並ぶ大迫力のシーンにはLED照明が搭載されよりグレードアップしたパフォーマンスとなっています。今回、キャスト34名の半分ぐらいが新人で、『ブラスト!』デビューを日本で迎えます。『ブラスト!』で演奏したくてたまらない人たちが集まっているので、フレッシュもぎたて(笑)!弾けるパワーを感じていただけるのも、スペシャルです。ぜひ僕たちと一緒に思いっきり楽しんでいただきたいです。

【公演情報】
『blast ブラスト!』
2014年6月~10月 全国47都道府県ツアー

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