いじめの原因は面白半分・からかい
面白半分、からかいがいじめの動機
2011年:面白半分・からかい76.9%、はらいせ32.5%
2001年:面白半分・からかい37.9%、はらいせ62.1%
2014年3月31日に公表された「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、いじめの認知(発生)件数は、前年の約7万件から約19万件に急増しています。そのうち、小学生によるいじめが約12万件と非常に大きい割合を占めています。また、同調査による「いじめの態様」でもっとも多いのが「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」です。
同年上半期に警察が関わったいじめに起因する事件は142件で、前同期より77件も増加しています。2011年10月に起きた大津のいじめ自殺事件で、暴力や自殺の強要などについての多くの生徒の目撃証言があったにもかかわらず、いじめ自殺が防げなかったことから保護者がすぐに警察に通報するようになったからだという見方もできますが、きっかけはともかく最終的には「事件」になるような深刻ないじめが増えているという見方もできます。
いじめ問題は、「早期発見」「早期解決」が基本ですが、実際、いじめだと学校に相談しても「あそんでいた」「けんかしていた」といじめだとなかなか認めてもらえないことも多くあります。それでは、「いじめ」と「あそびとけんか」の違いはどこにあるのでしょうか。
いじめとあそびの違い
いじめをしていても、「あそんでいただけ」「からかっていただけ」「ゲームをしていただけ」と子供たちが言い訳をすることがあります。しかし学校側もそのような認識でいると、いじめの解決に動いてくれないことも少なくありません。いじめとあそびの決定的な違いは、以下の点をチェックしてみましょう。
- 一人でも苦しむ人がいて、それを他のみんなが楽しんでいる
- 相手が傷つくことがわかっていて「やめて」と言われているのにその行為を続ける
- からかう側とからかわれる側がいつもきまっていて、からかわれる側が深く傷ついている
- 参加したがらない相手を脅したり、暴力をふるったりして無理やり参加させている
- 誰かの心や体を傷つけることを目的におこなう
いじめとけんかの違い
けんかは両方が傷つく
- けんかは、「人数や立場が同じである」のに対し、いじめは同じではありません。
- けんかは両方が傷つきますが、いじめは傷つくのはいじめ被害者のみです。
- けんかは腹が立ったり、悲しかったりしますがその感情はそれほど長く続きません。いじめはそれが長く続きます。
- けんかは「やめるか、続けるか」を両方が決めることができますが、いじめはそれを決められるのはいじめている側だけで、いじめられている側には決めることができません。
いじめ問題は初期の対応が非常に重要
いじめが深刻化するか否かは、初期の段階で適切な対応がとれるかどうかにかかっています。しっかり対応できれば、3日で解決します。先生の出張や休日などを考慮にいれても1週間で解決しなかった場合は、学校側に積極的な解決の意思がないと判断し、教育委員会や外部への相談を考えたほうがよいです。いじめの事実を訴えた被害者のおかれた状況やストレスを考えれば、それ以上長引かせるのは非常に危険であると学校は判断すべきですし、実際、いじめ解決のノウハウが確立している学校は、一日で解決することが可能です。自分の子供が、加害者である場合も、被害者である場合もよく話を聞き、「いじめ」と「あそび」と「けんか」をよく見極めて、いじめである場合は早急に客観的文書にまとめて学校に相談をしましょう。