【怖さレベル3】 妖怪誕生の瞬間に立ち会える絵本『つくもがみ』

『つくもがみ』の表紙画像

妖怪がいつでるか? 期待と怖さが徐々に高まる絵本

つくもがみは付喪神と書き、古い道具や品物に神様や霊魂が宿って生まれる妖怪のことです。でも、ひと口につくもがみといっても色々あるようで……。ある時、お爺ちゃんに「ものをそまつにすると ばけてでるよ」と言われた男の子は、自分がものを大切にしているかどうかを省みます。

聞けばお爺ちゃんは、お爺ちゃんのお母さんが使っていた箒(ほうき)やその他の道具たちまで大事に使い続けているのだとか。「わあ、お爺ちゃんすごい!」と思ったその時、その箒や道具たちがつくもがみに大変身。ええっ~、大切に使っていたのになぜ妖怪になってしまったの?

つくもがみたちが言うことには、粗末に扱うと化けるのではなく、100年使ってもらうと化けるのですって! しかも大事に使われた嬉しさからみんな踊りはじめてしまいました。つくもがみとお爺ちゃんと孫、みんな一緒にまるでダンスパーティーです。あまりの楽しさに、他の道具たちがつくもがみになる100年目にまた一緒に踊ろうと約束しますが、お爺ちゃんその時いくつになっているのかしら……。

作者の京極夏彦さんは、怪談絵本『いるのいないの』で読者を恐怖のどん底に陥れ大評判になりましたが、『つくもがみ』にはそのようなぞっとする怖さはありません。ちょっとびっくりする瞬間はありますがむしろ「いまか?もうでるか? 今度はでるか?」という怖いもの見たさのドキドキ感の高まりを楽しむ妖怪絵本です。

【書籍DATA】
京極夏彦:作 城芽ハヤト:絵 東雅夫:編
価格:1620円
出版社:岩崎書店
推奨年齢:4歳くらいから
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【怖さレベル4】 妖怪バス発車!『ごじょうしゃありがとうございます』

『ごじょうしゃありがとうございます』の表紙画像

大きな帽子をかぶって立つのはバスわらし、このバスの運転手です

表紙の少年をじっと眺めてみてください。可愛いことは可愛いけれど、どこか異世界の雰囲気を漂わせていると思いませんか? タイトルの2文字だけに使われた赤い色も、読者の心をざわつかせます。そんな絵本全体が醸し出す雰囲気から怖さレベル4とした作品が『ごじょうしゃありがとうございます』です。いつもの日常からふっと迷い込んだ異世界を描いて、得体のしれない不安を伴った不気味さを演出しています。

お婆ちゃんの家に1人で行くことになった僕は、うっかりバスを乗り過ごしてしまいました。戻るバスを探す僕に声をかけたのは、表紙の少年・バスわらしでした。おくってくれるという彼のバスに乗車して巡るのは、地獄の1丁目・河童淵2丁目・化け猫屋敷といった不思議な停留所ばかり。しかも乗り降りするお客さんも、鬼・天狗・河童や人面魚など異形のものばかりでした。

そして、ついにバスは地球を飛び出し月の裏まで行ってしまいました。美しい地球を眺めながら話しをする2人の少年には、僕の亡くなったお爺さんが取り持つとても意外で不思議な縁があったのです。はたして僕は無事に地球に戻り、お婆ちゃんの家を訪れることができるのでしょうか?

不思議なバスへの乗車はちょっぴり怖い白昼夢かもしれないけれど、懐かしい人との再会が温かな余韻を残す妖怪絵本です。

【書籍DATA】
シゲリ カツヒコ:作
価格:1404円
出版社:ポプラ社
推奨年齢:4歳くらいから
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