怖さレベル妖怪の絵本
小さな子どもたち大人気の「妖怪ウォッチ」。今や「ようかい体操」まで配信されるほどの熱狂ぶりです。そんな妖怪大好きな子どもたちに、怖くて面白い妖怪絵本を「怖さレベル」付きで6冊ご紹介します。あまり怖くない(?)レベル1の作品から始めますが、レベルMAXの作品までいくと1人でトイレに行かれなくなるかも……。あなたはどの怖さまで耐えられるでしょうか?【怖さレベル1】 妖怪に教わる交通ルール『妖怪交通安全』
100匹以上の妖怪が描かれているのに少しも怖くない(?)絵本が『妖怪交通安全』です。いえいえ、本当はとても怖いはずなのです。だって登場する妖怪は、やまんば・一つ目小僧・なんどばば・ろくろくびなどなど、昔から良く知られた妖怪のエリートたちばかりなのですから。ところが、なぜか怖くない……その理由は絵本に書かれた、役に立ちそうで立たない妖怪交通標語にあります。
などなど、思わず笑ってしまうダジャレ、おっと失礼、交通標語が並んでいます。とびだすな くびはきゅうには ちぢまない byろくろくび
こなきじじ なかずにしめて シートベルト byこなきじじ
いったんとまらず もめんなさい by一反もめん
描かれた妖怪たちもどういう訳が愛嬌があったり情けない顔をしていたり、怖さには程遠い姿かたちをしているので、小さいお子さんにも安心して読んであげられる絵本です。ところで唐突ですが、表紙で横断歩道を渡る4人がビートルズに見えるのはガイドの私だけですか?
【書籍DATA】
広瀬克也:作
価格:1188円
出版社:講談社
推奨年齢:4歳くらいから
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【怖さレベル2】妖怪退治はおまかせ!『こんや妖怪がやってくる』
『こんや妖怪がやってくる』は中国の昔話です。子牛と共に静かな暮らしをしていたお婆さんのところに突然おそろしい妖怪があらわれて、おばあさんの大切な子牛をガブリと食べてしまったばかりか、次の晩にはお婆さんを食べにまたやってくると予告していったのです。途方に暮れるお婆さんにできることといったら、「誰か私を助けておくれ」と言いながら泣いて歩くことだけでした。ところが、そんなお婆さんに出会った卵や雑巾やかえる、火ばさみ、こん棒や牛の糞までが、お婆さんを助けてくれるというのです。やがて予告通りに現れた妖怪を、みんなはどのように退治したのでしょうか?
あれあれ、どこかで聞いたことがあるようなお話ですね。そうなんです。懲らしめられる者が違うとはいえ、さるかに合戦によく似た昔話なのです。自業自得とはいえ、みんなにコテンパンにやっつけられる妖怪がちょっぴり気の毒にもなる昔話ですが、子牛を喰らう際の妖怪の姿の恐ろしさに「怖さレベル2」としました。
【書籍DATA】
君島久子:文 小野かおる:絵
価格:1620円
出版社:岩波書店
推奨年齢:4歳くらいから
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